( 250656 )  2025/01/17 05:28:47  
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なぜ元の場所に戻さないのか?(イメージ) 

 

 スーパーなどで買い物をする際、商品をカゴに入れたものの、途中で「やっぱり買わない」という選択をした経験がある人は多いだろう。もちろん買うかどうかの選択権は自分にあるわけだが、当該商品を“元の場所”に戻さない人たちが一定数いる。 

 

 なかには、商品とは関係のない場所に置くどころか、店に損害を与えるような戻し方をする客もいるという。客や店員の話から、その実態に迫った。 

 

 不動産会社勤務の40代女性・Aさんは、「買わないものは、元あったところに戻すのが当たり前」と憤る。 

 

「たとえばバナナのコーナーに突然お菓子が置いてあるなど、なんでこんな所に……というような、まったく関係ない場所への放置を見かけることも多いです。この間、惣菜コーナーにはさみが置いてあった時には、店員さんの忘れ物か何かかと思ったほどです」 

 

 Aさんが「もっとひどい放置もあります」と挙げるのは、「要冷蔵商品の常温エリアへの放置」である。 

 

「刺身が特売日だった日のこと。私がスーパーへ行った時にはすでに売り切れていたのでがっかりしていたら、作りたてを売りにするコロッケや天ぷらなどの惣菜売り場に刺身のパックがぽつんと置いてあったんです。生物を、そんなあたたかい惣菜のところに置くなんて……」(Aさん) 

 

 商品を元の場所に戻さない人はどう考えているのか。主婦の50代女性・Bさんは、「夫がまさにそのタイプの人で、よく揉める」と話す。 

 

「買うのをやめる商品は、私は元の場所に戻さないと気持ちが悪いタイプ。でも夫は一緒に買い物に行くと、買わないと決めたら、自分が今いる周辺に置きっぱなしにしてしまうんです。私はいつも『やめて』と言うのですが聞く耳を持たないどころか、『商品を元に戻すのは店員さんの仕事』と言う始末。結局、私が戻しにいくのがお決まりです……」 

 

 こうした客の行為について、都内の大手スーパーに勤めるCさんは「基本的にスーパーの商品は、“性善説”で並んでいますからね……」と語る。 

 

「いくら店員といえど、すべての商品の棚を常時チェックしているわけではありません。食料品や要冷蔵品が他のコーナーに置かれていた場合、そのまま売り場に戻して売るわけにいかず、廃棄するしかないことも。アイスクリームがお菓子棚に置かれていて、ドロドロに溶けていたこともあります。こうなるともはや単純に店への損害。店側からすれば、その商品がダメになる時点で、万引きされたのと同じように感じます」 

 

 なかには「カゴごと放置」されているケースもあるという。 

 

「通路やレジ付近などに、生鮮食品を含む商品が入った『かごごと置きっぱなし』も結構見かけます。つい先日も『○時まで保管しておきますので、心当たりがある方は取りに来てください』と店内アナウンスを流したのですが、結局反応はありませんでした。もし、一度手に取った商品がいらなくなったり、戻すのが面倒であれば、店員に一言話していただけたらいいだけのことなんですが。しれっと置いていかないでほしい」(Cさん) 

 

 商品を元に戻さない行為は、たとえ悪気がなくても“迷惑行為”になりかねない。「買わない」と決めたらなら、面倒でも元のところに戻すようにしたい。 

 

 

 
 

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