( 251186 ) 2025/01/18 05:27:32 0 00 外国人観光客の増加が日常生活にも影響を及ぼす(イメージ)
日本に多くの外国人観光客が押し寄せているが、2025年はさらにその勢いが増しそうだ。JTBが1月9日に発表した「2025年の年間旅行動向の見通し」によると、2025年の訪日外国人数は2024年(3690万人)から9%上昇し、初の4000万人台を突破する見込み。それとともに懸念されるのは、訪日客によるトラブルだ。
これまでもSNS上には、外国人のマナーへの苦言がたびたび取り上げられてきたが、最近は観光地だけでなく、公共交通機関内でのマナーが注目を集めている。なかでも「厄介だ」という声があがるのは、彼らが電車やバスに持ち込む大きなスーツケースだ。
金融機関勤務の40代男性・Aさんは、新幹線での帰省時に「特大荷物スペースつき座席」(3辺の合計が160cm超250cm以内の荷物持込のための専用座席)を予約したが、「制度の崩壊」を感じたという。
「外国人が『特大荷物スペースつき座席』に、めちゃくちゃ大きいスーツケースをいくつも置いていたので、私のスーツケースは置けずじまいでした。わざわざ新幹線で大きな荷物を置けるスペースを予約したのに……。こういう目に遭うのは今回で3度目なので、正直、制度が機能していないような気がします」
3度目とあって、「さすがに黙っていられなかった」というAさん。勝手にスーツケースを置こうとした外国人に説明を試みたが、返ってきたのは、意外な言葉だった。
「外国人に『ここは予約制』と伝えたら、『知らない。私たちが先に置いただけ』と開き直れてしまいました。『どかしてほしい』と言っても、外国人は『なぜ? じゃあ、どこに置けばいいんだ?』と言うばかり。『すみません』と言って荷物をどかしてほしかったのに、意外すぎて、理解してもらうのを諦めてしまいました。悪意があるようにも見えなかったので、外国人に制度の周知が必要なのでは」(Aさん)
新幹線のスーツケーストラブルは専用スペースだけでない。IT企業勤務の30代女性・Bさんは出張でよく新幹線を利用するが、「座席付近でも面倒なことがある」と言う。
「自分の座席の上の棚に外国人観光客がスーツケースを置いていて、私の荷物が置けなくて困ったことが何度もあります。観光客だから荷物が多くても仕方がないとは思いつつも、不公平に感じますよね。いっそ荷物の分量に応じて運賃をとってもいいのでは」
ようやく席に座っても苦難は続く。
「外国人が後ろの席で足元にスーツケースを置いていて、リクライニングを倒せないことが時々あります。最近は、新幹線に乗ることが決まると、若干憂鬱になります」(Bさん)
新幹線以外の電車でも、スーツケース問題は起きている。メーカー勤務の50代男性・Cさんは、「せめてラッシュ時は避けてほしいところですけどね……」と語る。
「朝の通勤ラッシュの時間にも、大きなスーツケースを持った外国人観光客が結構います。1人で2つスーツケースを持った人が3席分を占領していたことも。ただでさえ混雑しているのに、たまったものではありません。
特に、電車の入り口付近に大きいスーツケースをいくつも置いている外国人観光客が厄介です。『一旦降りる』という考えがないのか、頑なに陣取っている。できれば空港やホテルまでタクシーやバスを使ってほしいのが本音です」
路線バスでも事態は同様だ。国内有数の観光地に住む主婦・40代女性・Dさんは、「バスは狭く、スーツケースを置くとあっという間に通路が埋まる」と嘆く。
「外国人観光客集団が、狭い通路にたくさんの大きなスーツケースを置くので、乗降するときに相当邪魔になるし、乗車できる人数も減っているのではと思うことも。スムーズに乗降できないせいで運行が遅れることもあるし、最悪の場合は乗車できないことも。市民の生活が圧迫されているように感じます」
Dさんの地元で運行するバスは、後方の乗車口から乗り、前方の降車口で運賃を支払うというシステム。ただしバス後方に位置取りした場合、外国人観光客のスーツケースのせいで前に進めず、「一旦、外に出る」という策を取ることもあるという。
「後方の乗車口から降りて外から前方の降車口に向かい、料金を支払うこともあります。一旦外に出るので無賃乗車に間違われないように『降ります!』とアピールしますね。一方で、外国人観光客のなかには、降車口で運賃を支払わず、しれっと乗車口から出ていくケースも何回か見かけました。こんな状況がいつまで続くのでしょうか」(Dさん)
2025年はこれまで以上に訪日外国人が増える見込みのため、オーバーツーリズムの問題を実感する機会も増えるかもしれない。
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