( 252196 )  2025/01/20 04:58:22  
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飲食店に一緒に行った知人からの“こだわりのアドバイス”にうんざり(イメージ) 

 

 誰しもが少ならからずもっている、“食へのこだわり”。飲食店においては、料理を作ったシェフのこだわりならいざ知らず、なかには友人や知人から、食べ方のこだわりを指南されるケースがある。そうした場合に、「好きに食べさせて!」と内心思っている人は少なくないようだ。当たり前のことだと思って伝えたアドバイスが、相手に不快な思いをさせていないだろうか──。 

 

 都内の会社員・Aさん(30代男性)は、上司とともに“家系ラーメン”のチェーン店に行ったときの体験を明かす。 

 

「横浜家系ラーメンのチェーン店で、上司と一緒に昼食を摂ったときのことです。店員さんから『お好みは?』と聞かれて私は『普通で』と答えました。そうしたら、上司から『普通って何それ、あり得ない。“硬め・濃いめ・多め”がデフォルトだろ』と言われて、ウザかったですね……」 

 

 家系ラーメンでは、麺の硬さ(硬め・普通・柔らかめ)、味の濃さ(濃いめ・普通・薄め)、油の量(多め・普通・少なめ)をそれぞれ選べることが多い。その時ベーシックな味を楽しみたかったAさんは「普通で」と答えたのだ。 

 

「ラーメンマニアがこぞって通う有名店に初めて行った、というようなシチュエーションなら、おすすめの食べ方をアドバイスされるのは嬉しいですよ。でも、上司と一緒に行ったのはいわゆるチェーン店。そういうお店の良さは、自由に食べられることだと思うんですよね。にもかかわらず、人のチョイスを否定するなんて、本当にいらないアドバイス。もう、うんざりです。それ以来、その上司とは一緒に食事をしないようにしています」(Aさん) 

 

 ラーメン店での“指南”に悩む人は珍しくないようだ。神奈川県に住む主婦・Bさん(40代女性)が、夫と一緒にとあるラーメンチェーンに行った際、夫の一言に「不愉快な思いをした」ことを振り返る。 

 

「私がつけ麺を頼んだら、夫が『ラーメン店でつけ麺は邪道』って言ったんですよ。でも別に、メニューにつけ麺があるんだから、いいじゃないですか。先に『ラーメンがおすすめだよ』みたいな言い方だったらいいけど、『つけ麺は邪道だ』とか、人の選択を否定しなくてもいいのに。私は猫舌なので、普通のラーメンよりもつけ麺のほうが食べやすいという事情があって選んだだけなんです」 

 

 

 老若男女が手軽に寿司を楽しめる回転寿司チェーンでも、“指南”する人は現れる。埼玉県に住む会社員・Cさん(30代男性)は、「友人のこだわりに辟易したことがある」という。 

 

「その友人は学生時代から日本料理店でバイトをしていて、食にうるさいタイプではありました。ある日、その友人を含め何人かで回転寿司チェーンに行った時、注文する順番について、いろいろアドバイスをしてくるんです。『最初はマグロの赤身から。その後は比較的さっぱりしたネタ。中トロは後半で……』みたいな感じです」 

 

 Cさんは相槌を打ちつつも、アドバイスはまったく受け入れなかった。 

 

「有名寿司店の大将がこだわりの順番で提供してくれるとかだったら、ありがたく乗っかります。でもバイトをしていただけの人のうんちくなんて、知ったこっちゃないなと。しかも回転寿司なんて、好きに頼むのがいちばんです」(Cさん) 

 

 ファストフードの定番・牛丼チェーン。愛好家が多いからこそ、自分なりのこだわりがある人も多いだろうが、それを他の人に押し付けると迷惑がられる原因となる。 

 

 都内の自営業・Dさん(30代男性)は、友人と行った牛丼チェーン店で“どうでもいいアドバイス”を受けたという。 

 

「友人と2人で牛丼チェーンに入って、2人とも牛丼の並盛を注文しました。牛丼が到着して、私が食べようとしたら、友人が『先に紅生姜入れろよ。七味も使えよ』と強めに言うんです。 

 

 いやいや、牛丼くらい自由に食わせてくれよ、という感じでした。僕は、最初はそのままの状態で何口か食べて、次に七味をかけて何口か、最後に紅生姜をたっぷり乗せて食べるのが好きなんですが、それを誰かにやらせようとは思いません。人に、自分の食べ方を押し付ける人の気持ちが全然わかりません」(Dさん) 

 

 気軽に利用でき、好きなように食べられるのが、庶民的な飲食チェーン店の大きなメリット。そこで自分のこだわりを過剰にアピールすることは、単なるお節介となるだけでなく、“嫌われる行為”となる可能性もあるのだ。こだわりを披露するのは、ほどほどに……。 

 

 

 
 

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