( 254129 )  2025/01/23 17:47:51  
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現在、「駐車禁止等除外指定車標章」を悪用する問題が頻発しています。

この標章は身体的な障害のある人が特定の条件を満たすと交付されるもので、標章を車に掲示すると通常の駐車違反が免除される制度です。

しかし、最近では偽造やコピー、家族や知人からの借用など不正な手段で一般ドライバーがこの標章を利用し、駐車違反を犯すケースが多く見られます。

このような不正利用が相次いでいるため、厳罰化の意見や警察による取り締まりが必要とされています。

駐車禁止場所や時間制限駐車区間でも標章の利用が認められないため、正式に交付を受けた人でも十分な注意が必要です。

(要約)

( 254131 )  2025/01/23 17:47:51  
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 身体に障害のある人などのために交付される「駐車禁止等除外指定車標章(除外標章)」ですが、現在この標章を悪用する事例が頻発しています。 

  

 では、具体的にどのような問題が発生しているのでしょうか。 

 

悪質!「駐車禁止等除外指定車標章(除外標章)」をコピー・偽造するドライバーも(画像は神奈川県警察本部ホームページより) 

 

 街中には、道路標識によって駐車が禁止されている場所が多くあります。 

 

 ただし、身体の障害などにより歩行が困難な人については、一定の基準を満たした場合に「駐車禁止等除外指定車標章」の交付を受けることができます。 

 

 この標章をダッシュボードやフロントガラスの内側など車両前面の見やすい場所に掲示して駐車すると、道路標識で駐車禁止となっている場所にクルマを駐車しても原則として駐車違反に当たりません。 

 

 さらにパーキング・メーターやパーキング・チケット発給設備のある時間制限駐車区間に駐車した場合は、駐車時間の制限および手数料が免除されます。 

 

 たとえば病院やスーパーの近くにある駐車禁止の道路において標章を掲示すれば、駐車が可能となります。 

 

 つまり、歩行困難な人が駐車場所から目的地まで移動する際の身体的な負担を軽減できるといえるでしょう。 

 

 このように駐車禁止等除外指定車標章は、身体障害などで歩行が難しい人のための制度であり、標章の交付を受けた本人以外が利用することは禁止されています。 

 

 そのため、家族・親族が標章を使用したり、知り合いが標章を借りて駐車したりすると駐車違反に当たります。 

 

 しかし最近では、歩行にまったく支障のない一般ドライバーが標章を悪用して駐車する事例が横行しています。 

 

 具体的には、家族や知り合いなどから標章を借りる、偽造された標章や標章のコピーなどを使用するといった手口がみられます。 

 

 特に、都市部にある繁華街の道路では標章の不正利用が後を絶ちません。 

 

 2024年9月には大阪市中央区の堺筋において、偽造された標章を車内に掲示した上、大阪府警が指定する有料の駐車枠に料金を払わずに駐車したとして、会社経営の男らが偽造有印公文書行使の容疑で書類送検されています。 

 

 また2021年6月にも東京都渋谷区道玄坂の道路上において、家族に交付された標章を車内に掲示して駐車し、駐車監視員の業務を妨害したとして50代の男が偽計業務妨害の疑いで逮捕される事案が発生しています。 

 

 標章を偽造することはもちろん、家族や親族の標章を借りて使用することも違法行為に当たることから、安易に貸し借りをしないよう注意しましょう。 

 

 そして不正利用をおこなうと交通取り締まりを受けるだけでなく、標章の返納を命じられるおそれもあります。 

 

 標章の不正利用が相次いでいることに関してインターネット上では、「自分も身体障害がありますが、以前より厳しい目でチェックされるようになった」と肩身の狭い思いをしている利用者から悲痛な声が上がっています。 

 

 加えて、「悪質性が高いのだから不正使用は一発免停や免許取消しでいいんじゃないか」「標章の没収と、二度と再発行しないくらいの措置が必要」「標章を複製した違法業者も厳しく取り締まってもらいたい」など、全体的に厳罰化を求める意見が多く聞かれました。 

 

 そのほか、この標章があるからといってすべての駐車禁止場所に駐車できるワケではないため、正式に交付を受けた人が標章を利用する際にも注意が必要です。 

 

 警視庁のホームページでは、「法定の駐車禁止場所および駐停車禁止場所、ならびに指定の駐停車禁止場所は除外の対象ではありません」と明記しています。 

 

 一例としては交差点や横断歩道、道路の曲がり角付近などが挙げられ、このような場所では標章があっても駐停車が禁止されます。 

 

 またパーキング・メーターが設置されている時間制限駐車区間においても、駐車枠からはみ出すような状態で駐車すれば駐車違反に該当します。 

 

 利用の際には、事前に駐車可能な場所であるかをよく確認しておくことが大切です。 

 

※ ※ ※ 

 

 現在、繁華街付近の道路を中心に標章を不正利用して駐車するドライバーが多くみられます。 

 

 真に必要とする人が利用できるよう各ドライバーのモラルが問われているほか、警察による積極的な取り締まりが求められます。 

 

元警察官はる 

 

 

 
 

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