2024年の日本の出生数が初めて70万人を下回る可能性が高まっている。

厚生労働省が発表した速報値によると、前年比5.1％減の66万1577人が出生し、この傾向が続くと、日本人の出生数は約69万人となる見込み。

子育て費用の高騰や未婚率の上昇、新型コロナ禍による結婚数の減少が影響しているとされている。

過去にも出生数は減少しており、2038年までに70万人を割ると予測されている。

（要約）

新生児室の赤ちゃん 

　2024年の日本人の出生数が初めて70万人を割る可能性が強まった。厚生労働省が24日公表した人口動態統計の速報値によると、24年1～11月に生まれた赤ちゃんの数は、前年同期比5.1％減の66万1577人だった。速報値には外国人を含む。少子化に歯止めがかからず、同様の傾向で推移すれば日本人だけの出生数は通年で69万人程度となりそうだ。 

　物価高で子育てへの経済的不安が高まったことや、未婚傾向が進んだことが響いたほか、新型コロナウイルス禍で結婚する人が大幅に減ったことも背景にあるとみられる。 

　日本人の出生数は19年に90万人を、22年に80万人を割った。23年は統計のある1899年以降で最少の72万7277人だった。3.8％ほど減少すれば24年は70万人を割り込む計算だ。現時点で公表されている最新の出生数は24年1～8月分で、前年同期比5.9％減だった。 

　国立社会保障・人口問題研究所が23年に公表した将来推計（中位推計）では24年の出生数は75万5千人で、70万人を割るのは38年と見込んでいた。