( 257881 )  2025/01/31 05:32:35  
00

フジテレビ社屋。 

 

中居正広さんと女性とのトラブルへの対応が問題視されているフジテレビ。 

 

多くの企業がCMを差し止め、ACジャパンの広告に切り替えられたことは周知の通りだが、実は、企業が差し控えているのは広告だけではない。 

 

フジテレビに対して「取材NG」との対応を取る企業も出てきているのだ。 

 

「フジテレビに取材案内を送って良いかについて、クライアントに確認する作業が発生している」 

 

こう話すのは、PR会社のある社員だ。 

 

企業の広報支援を手掛けるPR会社では、クライアント企業がメディア向けの発表会やイベントなどを実施する際、企業の代わりに取材案内を送付したり、取材調整に関わったりする。 

 

クライアント企業の広報戦略によって「露出したいメディア」は異なるものの、一般的にクライアントからの人気が高いのはテレビだという。通常であれば当然テレビ各社、とりわけキー局の取材誘致活動は欠かせない。 

 

ところが、フジテレビに関する一連の報道を受け、情報提供を「控えてほしい」「フジテレビには出たくない」という企業が出てきているという。 

 

「フジテレビから取材依頼があった場合には、必ず社内の上のメンバーと、クライアント企業に報告して進行している」(PR会社社員) 

 

と慎重だ。実際に、取材依頼に対して断ったケースもあったという。 

 

また、別のPR会社の担当者は 

 

「対応は会社によりますが、これまで送っていたプレスリリースの送付を止めた企業もちらほら出ている。大手企業ほど、(フジへの情報提供を)控えている印象がある」 

 

と話す。 

 

冒頭のPR会社社員によると、フジテレビだけでなく、フジテレビ系列の地方局からの取材依頼に対しても「NG」とのお達しを出している企業もあるという。 

 

今後、扶桑社などフジサンケイグループ会社の媒体にも影響が波及する可能性もあるのではないか──とみる広報関係者もいる。 

 

他の企業の「様子見」をしながら、フジテレビとの付き合い方を探っている様子もみられるという。 

 

複数の企業と取引があるPR関係者は、 

 

「今までに経験したことがない事態。こちらから『情報提供を控えた方がいい』と提案することはないが、企業の担当者から他社の対応について聞かれることはある」 

 

と話す。 

 

逆に「取材NG」の対応をしないという企業もあった。 

 

ある大手企業の広報担当者は、会社としてフジレテレビにCMを出すことと、フジから取材を受けることは違うことから、「これまでと対応は変えない」とした。 

 

 

CMのみならず、「フジテレビの番組に取り上げられること」を避けようとする企業が出る中、これを好機と見る向きもある。あるフリーランスPRは、 

 

「正直、今フジテレビに取り上げられたからと言ってそこまで影響はないのでは?と思う。 

 

逆に今このタイミングでフジテレビの露出を狙うという戦略も取れる。雑談程度にですが、クライアントにフジテレビへの取材売り込みを提案してみました」 

 

と話す。 

 

今回のケースについて、大手繊維メーカーで広報部長を勤め、現在は広報アドバイザーの宇佐美吉人氏は、 

 

「人権配慮の欠如が懸念される企業とは取り引きできないとの考えも成り立つだろうが、報道機関という側面もあり、全ての企業が同じ判断軸を持って対応することにはならないだろう」 

 

とする。 

 

Business Insider Japan 

 

 

 
 

IMAGE