( 258631 )  2025/02/01 16:37:51  
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倒産件数は3割超の急増 

 

 帝国データバンク(東京都港区)が2025年1月7日に公開した24年のラーメン店の倒産動向によると、経営事業者の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は72件にのぼり、前年の53件から19件増加して3割超の急増。過去最多を大幅に更新した。 人件費や電気代、原材料コストなどが高騰する一方で、価格転嫁が難しく、閉店を余儀なくされたケースが多いという。 

 

■開業資金が比較的安い 

 

 大手でも厳しい。こってりラーメンで知られるチェーン・天下一品(滋賀県大津市)の新宿歌舞伎町店や恵比寿店、池袋東口店など都内の6店舗が24年6月に閉店している。 

 

 その一方で新規に店を開く人も少なくない。 

 

 日経COMPASSの24年12月19日の調査結果では、ラーメン店の数は23年の店舗数は約1万6200店。コロナ禍前を上回る数になっていた。 

 

 開業資金が比較的安い、特別な技術がなくても開業できるため、ラーメン店は参入障壁が低いと言われている。 

 

 首都圏で「北海道らーめんみそ熊」を展開するGRAST(東京都)のウェブサイトによると、独立へのチャレンジ精神、理想のラーメンを作りたい、高年収への憧れといった理由から脱サラしてラーメン店を目指す人が多いと説明している。 

 

 ネット上では「ラーメン屋さんって儲かりますか?? ? 脱サラしてラーメン屋で一獲千金しようかな?ってちょっと考えてます!」との書き込みをしている人や、X(旧ツイッター)に、「脱サラして地道に準備してやっとラーメン屋開業しました」と書いている人もいる。 

 

■「生き残っていくことがいかに難しいか」 

 

 参入はしやすいけど、倒産件数も多いラーメン店の経営は、簡単ではないと警告する人もいる。 

 

 中小企業向けの事業承継・事業再生投資ファンドである日本創生投資(東京都千代田区)の社長・三戸政和氏が講談社のウェブサイト「+αオンライン」(23年9月23日付)でこう話している。 

 

「参入障壁が低いということは競合が多いということでもある。ただでさえライバルが次々と登場する中で、食材価格の高騰など不測の事態を乗り切り、5年と10年と生き残っていくことがいかに難しいか」 

 

 その記事のタイトルにこうあった。「ラーメン屋はもってのほか! 飲食店を始めたサラリーマンの残酷すぎる末路」。 

 

(リサーチ班 大山雄也) 

 

 

 
 

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