( 258646 )  2025/02/01 16:52:33  
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奉納土俵入りを披露した豊昇龍(写真・時事通信フォト) 

 

 第74代横綱に昇進した豊昇龍。出羽海一門の武蔵川親方(元横綱・武蔵丸)から雲竜型の土俵入りの指導を受け、1月31日の明治神宮奉納土俵入りで横綱デビュー。国技館での初の土俵入りは2月1日の元幕内・徳勝龍の断髪式となり、今後は相撲協会の看板力士として本場所や巡業で土俵入りを披露することになる。 

 

 横綱になると待遇が大きく変わる。大関時代から、場所入りに際しての運転手付きの自家用車の使用が認められ、移動時の新幹線はグリーン車、海外公演などの際の航空機はファーストクラスといった待遇になるが、横綱になると宿泊料や日当がアップする。 

 

 月給は大関時代より50万円増えて月300万円となる。それに伴い年2回の賞与は年間で100万円増額となって600万円に。本場所ごとに三役へ支払われる特別手当も大関時代より5万円アップの20万円となった。年6場所で30万円の増額である。 

 

 本場所ごとに年6回もらえる「褒賞金」も大きく増える。ベースとなる「持ち給金(褒賞金支給標準額)」を4000倍にした額が支払われる。序ノ口に名前が出ると3円、1つの勝ち越しにつき50銭が加算される。実際には十両以上の関取にしか支給されないが、十両になれば40円、幕内60円、大関100円、横綱150円に引き上げられて、そこから積み上げていく形式だ。この間に金星(10円)、幕内優勝(30円)、全勝優勝(50円)があれば合わせて上乗せされる。 

 

 1月場所前の豊昇龍の持ち給金は135円(4000倍した場所ごとの支給額54万円)だった。これが1月場所での12勝3敗という9点の勝ち越しと幕内優勝で34.5円が加算され、3月場所は169.5円となる。横綱の最低支給標準額(150円)を超えているので据え置きとなるが、4000倍した67万8000円が支給される。 

 

 1月場所に大関で登場した豊昇龍は、250万円の月給に加えて褒賞金(135円×4000)54万円、特別手当150万円の合計454万円が支払われた。これに308本分の懸賞金(1本あたり手取り3万円)として924万円を受け取っている。 

 

 3月場所に横綱として登場すると、月給は50万円アップ、特別手当は50万円アップとなる。年収ベース(月給×12、特別手当×6)で言えば900万円の昇給となる。1月場所でアップした褒賞金(13万8000円)の6場所分となる82万8000円を加えると、横綱に昇進したことにより年収が約1000万円増えたことになる。 

 

 

 他競技のトップアスリートに比べると、「最高位」になったことのプラスが大きいとは言えないかもしれない。ただ、それ以外に「懸賞金」という収入があることは見逃せない。協会関係者が言う。 

 

「横綱昇進で大きく変わるのは、懸賞金の本数が劇的に増えること。大関で優勝した豊昇龍の1月場所での懸賞は308本(手取り924万円)だったが、2024年の1月場所に13勝2敗で優勝した横綱・照ノ富士の懸賞は441本(同1764万円)でした。ひとり横綱には懸賞が集まりやすいことも考慮すれば、軽く400本超えでしょう」 

 

 2024年の1年間を通じて最も懸賞を獲得したのは琴櫻の1503本(同4509万円)だが、皆勤が2場所にとどまった照ノ富士は826本(同2478万円)も集めている。新横綱の豊昇龍に集中することは間違いなさそうだ。 

 

 昨年の年収が約1億円だった横綱・照ノ富士。引退して親方として第二の人生をスタートさせるが、横綱経験者は委員待遇となる。慣例では広報部(記者クラブ担当)としてデビューすることになるが、ちなみに委員の月給は約100万円(年収約1200万円)。髷を落とすことで生じる違いも大きい。 

 

 関連記事『《大相撲・給金年収番付》昨年4場所休場の横綱・照ノ富士と優勝2回の大関・大の里はどちらが稼いだ?』では、全幕内力士の“給金”状況を大図解している。 

 

 

 
 

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