( 259751 )  2025/02/03 18:25:32  
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日本銀行本店=2020年1月9日、松倉佑輔撮影 

 

 日銀は3日、追加利上げを決めた1月23、24日の金融政策決定会合の「主な意見」を公表した。政策委員からは「コメや生鮮食品の価格上昇やドル高・円安の継続に伴う物価の上振れの行方が現時点の焦点」との声があがり、足元の物価高と今後の物価上振れに対する警戒感が目立った。 

 

 大幅な円安・ドル高水準が再来する中、会合では為替への意見が相次いだ。円安が家計や企業に与えるマイナスの影響については「短期的な為替変動より、中長期的な円安が累積した効果により生じている」との声が出た。ある委員は「過度な緩和継続期待の醸成による円安進行や金融の過熱を避ける観点から、金融緩和度合いの調整を行うことも必要」と指摘。利上げを見送ることで更なる円安を招くリスクを危惧した。 

 

 一方、「現実の消費者物価は(日銀の)見通し通りとなった場合、2022年度から4年連続で2%を上回ることになり、物価観は累積的に高まっている」として、長引く物価高が人々の物価に対する見方に影響を与えているとの考えも示された。 

 

 日銀は1月の会合で政策金利を0・5%程度に引き上げると決めた。利上げの重要な判断材料となった25年春闘については「少なくとも昨年とそれほど遜色ない水準になると予想できる」など前向きな意見が目立った。政策金利は約17年ぶりの高さとなっており、委員からは「今後は金融政策が影響を及ぼしうる『市場の物価』をよく見ながら、物価の上振れリスクに注意していくべき局面にある」との認識が示された。【浅川大樹】 

 

 

 
 

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