( 259771 )  2025/02/03 18:32:04  
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トランプ米大統領がカナダ、メキシコ、中国への新たな関税で貿易戦争を仕掛けたことで、経済成長やインフレ再燃を巡る懸念から週明け3日の世界市場は新たな衝撃を受けることになりそうだ。 

 

トランプ氏は1日、カナダとメキシコからの製品に25%、中国製品にも10%の追加関税を課す大統領令に署名した。この結果、シドニー大学ビジネススクールのブフイ・チウ教授によると、金融上の混乱を引き起こす可能性があるという。 

 

シドニー大学ビジネススクール ブフイ・チウ教授 

「我々は不確実性が高まる時期に突入していると言える。何が起こるかわからないし、経済の不確実性は高まり、株式市場のボラティリティも高まるだろう。そしてこの貿易戦争により、すべての国にインフレ圧力がかかるだろう」 

 

インフレ再燃により米連邦準備理事会(FRB)が利下げを停止することを投資家は最も懸念しており、消費者物価上昇の可能性は特に機微な分野だ。 

 

市場アナリストらは通貨の大幅な変動を予想しており、JPモルガンは先月31日、メキシコペソが10%以上下落する可能性があるとの予測を示した。 

 

アナリストらはまた、株式やその他のリスク資産の売りも予想している。 

 

バークレイズのストラテジストらは、対象国による報復措置の影響も含め、今回の関税がS&P総合500種の企業の利益を2.8%押し下げる可能性があるとの試算を示していた。 

 

一方ゴールドマン・サックスは2日、メキシコとカナダに対する関税は短期間で終わるだろうとの見方を示した。 

 

米自動車大手フォード・モーターのように今週四半期決算を発表する米国企業は、関税の影響について質問攻めにあうことだろう。カナダとメキシコで組み立てられた車両に対する関税により、自動車メーカーは特に大きな打撃を受けると予想される。最終組み立て前に部品が国境を何度も越えることもある広域サプライチェーンは、こうしたコストをさらに悪化させるだろう。 

 

 

 
 

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