( 260631 )  2025/02/05 15:14:34  
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品川区立豊葉の杜学園の中学生の標準服=東京都品川区提供 

 

 東京都品川区が、区立中学校の制服を無償化することが分かった。2026年度の新入生(現在の小学5年生)からが対象で、所得制限は設けない。新年度当初予算案に約1億円を計上する。 

 

 26年度の新入生は区立中1900人、区内在住の特別支援学校30人を見込む。冬服の上着(ブレザーやジャケット)と、夏服・冬服のボトムス(スラックスやスカート)の計3点が対象で、ワイシャツやベルト、セーターなどは対象外。人口が少ない自治体を中心に無償化している例はあるが、区によると東京23区や政令指定都市では全国初という。 

 

 区内に15校ある中学校や義務教育学校の標準服(制服)の価格は、23年度の調査では3万3470円~5万1875円(冬服の上下)だった。26年度の新入生からは、保護者が学校に制服のサイズを申告し、学校が一括購入することで、生活保護や就学援助を受けている家庭も一時的に多額の出費が生じることを避けられるという。 

 

■中学校の修学旅行費も 

 

 また、同区は25年度から、中学校の修学旅行費も所得制限なしで無償化する。対象は25年度の区立中および区内在住の特別支援学校の中3生およそ1800人。近年、区の中学校では京都へ2泊3日で行く場合が多いが、公費負担することで行き先や行程が限定されないよう、23年度の修学旅行で最高額だった1人あたり7万5千円を上限に設定。当初予算案に約1億3500万円を計上する。 

 

 区は24年度予算で、事業の「無駄」から財源を捻出し、区民が幸福を感じられる施策を盛り込んだ「ウェルビーイング予算」を発表。今年度から、絵の具や習字道具、学習ドリルなど、区立学校の学用品を所得制限なしで無償化した。新年度当初予算案(総額約2347億円)でも、区有施設のデジタルサイネージを廃止したり、紙媒体の各種情報紙を電子化したりするなどして、約20億円の財源を捻出したという。(野田枝里子) 

 

朝日新聞社 

 

 

 
 

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