( 260706 )  2025/02/05 16:38:00  
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日本郵便とヤマト運輸のロゴ 

 

 ヤマト運輸が薄型荷物の配達委託を計画どおりに進めないとして、日本郵便が損害賠償を求めて提訴した問題で、詳しい経緯が裁判資料などで判明した。ヤマトは昨秋、赤字に転落する4~9月期の決算をまとめる過程で計画の見直しに言及。見直す理由の説明を変遷させ、日本郵便の不信と怒りを買うこととなった。 

 

 ヤマトは10月30日付の文書で、計画を見直す理由は「近年の物価上昇、市場の冷え込みによる全需の減少」だとした。決算後の11月12日には薄型荷物の委託をやめたいと要望し、担当幹部が「通期でも赤字になれば異常事態」などと述べた。 

 

 日本郵便側はヤマトが収益を確保するための一方的な要望だと受け止め、損失を補塡(ほてん)して自社都合による見直しだと公表するよう求めた。 

 

 ヤマトは12月2日付の文書で、前年6月に基本合意した計画は暫定的なもので、守る必要などないと主張。計画を見直すのは、日本郵便の不当営業などが協業の精神に反するためだと唱えた。これが協業破談の決定打になった。 

 

 ヤマトは12月18日のニュースリリースでは、配達委託で配達日数が延びることが見直しの理由だとしている。朝日新聞の取材には、「協業で配達日数を縮めるには追加投資が必要。業績が厳しく(10月ごろに)難しいと判断した」(担当幹部)と説明している。(藤田知也) 

 

朝日新聞社 

 

 

 
 

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