( 260811 )  2025/02/05 18:32:09  
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追手風部屋 

 

 角界を代表する“イケメン”として高い人気を誇る、東前頭二枚目の翔猿(とびざる・32)。りりしい顔立ちとは裏腹に凄絶なパワハラ気質の持ち主で、付け人が次々に辞めていくという――。 

 

 *** 

 

 東京・両国国技館で1月26日に千秋楽を迎えた大相撲初場所。横綱の世代交代という鮮やかなドラマが展開された傍ら、両国界隈では、ある力士の異様な風体が人目を引いていた。 

 

「追手風(おいてかぜ)部屋の薩摩翔(さつましょう・25)、序二段の力士です」 

 

 とは、大相撲ファン。 

 

「側頭部と襟足の毛髪がごっそり抜け落ちており、ファンの間で“何事か”と騒ぎになりました。頭頂部の毛は残っていて、どうにかまげは結えていますが、頭囲が変に刈り上げたようになってしまっているのです」 

 

 日本相撲協会関係者が明かす。 

 

「薩摩翔は、兄弟子である翔猿の付け人を務めています。その翔猿からイジメを受けて心をやられ、髪が抜けたのだろうといわれているのです」 

 

 翔猿。彼こそはいま、角界きっての人気力士だ。 

 

 埼玉栄高校と日本大学で相撲部に所属し、大学卒業後は追手風部屋に入門。2015年1月場所で初土俵を踏んだ。新入幕は20年9月場所で、小結昇進は22年11月場所。以降、小結と平幕を行き来して、現在は東前頭二枚目である。 

 

 そのタレント性も評価されており、 

 

「イケメン力士としてバラエティー番組にたびたび出演しています。作業靴メーカー『ミドリ安全』のCMにも起用され、安全靴を履き、滑りやすい床に挑んで性能をアピールする愛嬌たっぷりな姿が話題です」(相撲記者) 

 

 しかし、追手風部屋関係者は、 

 

「じつはこれまでも、翔猿にはパワハラ疑惑が取り沙汰されてきました」 

 

 と、言うのである。 

 

「大翔浜(だいしょうはま・29)、日翔志(ひとし・27)、大翔(だいしょう・24)、大雄翔(だいゆうしょう・22)と、付け人が過去4人も辞めています。(中略)そして目下、薩摩翔もまた翔猿の下を離れたがっているとみられている。異例の事態です」 

 

 付け人が4人も去った翔猿。そのイジメは、相当に苛烈なものらしい。 

 

「例えば土俵の上で、辞めた自分の元付け人を追い込むのです。ケガから復帰したばかりの元付け人に30分近くもぶつかり稽古を食らわしたこともあったとか。片方が攻め続けるぶつかり稽古は5分間でもきつく、命さえ落としかねない危険なものです。翔猿のやったことは常軌を逸し、ほとんど暴力といえるほど。ぶつかり稽古を終えて倒れた元付け人の顔面を蹴り上げたこともあったようです」(同) 

 

 

 イジメは、肉体的なものにとどまらない。 

 

「沸かした風呂が熱かった時、翔猿はわざわざ薩摩翔を呼び出して“おまえが湯船に漬かれ”と、入浴を強要したと聞きます。そもそも薩摩翔が風呂を入れたわけではないのに、難癖をつけたということです」(前出の追手風部屋関係者) 

 

 さかのぼれば、翔猿は他の若い衆に対するパワハラも再三だったという。 

 

「薩摩翔だけでなく、これまでの付け人たちに対する振る舞いも傲岸不遜。少しのミスでも見とがめて暴言を浴びせたり、何日間も無視をしたりと、陰湿なイジメを繰り返していたといいます。また、翔猿は、なるべく外食でカネを使いたくないせいか、自宅に女性を招くことが多い。その際、付け人でない若い衆にまで鍋などの料理を作らせ、出来上がったらすぐさま、その若い衆を帰らせるそう。唐突に“ナプキンと女物のパンツを買ってこい”などと、相撲とは無関係の雑用を強いることも多々あったと聞いています」(同) 

 

 フィジカルとメンタル両面での弟弟子への悪行。かくて翔猿は、ついに“当局”の聴取を受けるに至ったという。 

 

 この問題に、当の本人は何と答えるか。2月2日の昼前、自宅から目と鼻の先にある追手風部屋まで歩いて向かおうとする翔猿に聞いた。 

 

――協会のコンプラから呼ばれた?  

 

「いまは急いでいるので」 

 

――4名もの付け人が辞めていると聞きましたが。 

 

「辞めた? ウチの部屋を、ですか? そんな事実はありません」 

 

――薩摩翔も付け人を辞める予定ですか。 

 

「あっ、それは分からないです」 

 

 翔猿はそう言いながら、逃げるように追手風部屋に入っていった。 

 

 相撲協会に、翔猿の付け人が4名も辞めていること、イジメの実態、コンプライアンス委員会による調査の件などを書面で問い合わせると、 

 

「回答なし、ということでお願いします」 

 

 との電話が。そんな相撲協会の対応については気になる情報も。 

 

「協会は翔猿には厳重注意処分で終わらせようとているとも。だとすれば、事態にふたをしたいのだと考えざるを得ません」(前出の協会関係者) 

 

 昨年5月、「週刊新潮」が二所ノ関部屋での「アルハラ」などの問題を報じた際にも協会の隠蔽(いんぺい)体質が見え隠れしたのは記憶に新しいところだ(関連記事:「稽古は週に3日で、相撲部屋の体を成していない」「弟子の悪質アルハラも」 二所ノ関部屋で何が起きているのか【スクープその後】)。これまで幾度も疑われてきた角界の“自浄能力”がまた、試されている。 

 

 2月6日発売の「週刊新潮」では、翔猿による凄絶パワハラの全容を詳しく報じている。 

 

「週刊新潮」2025年2月13日号 掲載 

 

新潮社 

 

 

 
 

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