( 261966 )  2025/02/08 04:39:15  
00

立憲民主党と共産党の関係が揺れている。昨秋の衆院選前までは法案提出などで協力関係にあったが、選挙後に立民が共産に声をかける場面が激減しているのだ。共産は「遺憾」を繰り返すものの、先の衆院選での遺恨が残っていることもあり、立民の対応はつれない。行き過ぎた〝共産外し〟は、夏の参院選の候補者調整にも影響するが、お互い引くに引けない状況が続く。 

 

微妙な関係が露呈したのは3日の共産の小池晃書記局長の「遺憾」発言だった。小池氏は記者会見で法案の共同提出に関し、「わが党には呼び掛けがなされていない。これは立民の本気度が問われるものであり、大変、遺憾だ」と表明した。 

 

昨年の衆院選後の臨時国会以降、立民は国民民主党や日本維新の会と公立小中学校の給食費を無償化する法案などを共同提出する一方、共産は加えなかった。小池氏はあえて強いメッセージを送った形だ。 

 

これに対し、立民の小川淳也幹事長は4日の記者会見で「真摯(しんし)に受け止めている。呼び掛けられなかった側が寂しい思いをするのは当然だ」と陳謝した。その上で、「野党第一党は右も左も広く連帯をお願いする立場にある」と付言し、「左」という言葉で共産に配慮した。 

 

もっとも、共産の立民への不信感は拭いきれていない。5日に開いた野党8党派の政策責任者会談で、立民は同党が提案した法案への協力を求めた。だが、共産の山添拓政策委員長は終了後、記者団に「これまで私どもに呼び掛けがなかったものについては大変、遺憾だ」と不満を漏らした。 

 

立民は先の衆院選での意趣返しで、共産を突き放しているようだ。共産と立民は289ある小選挙区のうち、142で議席を争った。結果、立民は公示前98議席から148議席に増やす一方、共産は10議席から8議席に減らしたが、立民幹部は「大量に候補者をぶつけてきたのはどこのどなたか。今ぐらいの距離感がちょうどいい」と胸中を明かす。立民関係者は「共産も正念場だ」と他人事のように話す。 

 

ただ、参院選の勝敗を決める改選1人区での野党候補の調整には共産の協力も不可欠となる。共産幹部は「改選1人区には積極的に立てたいし、立ててほしいという要望も強まっている」と語り、法案提出での〝共産外し〟をやめるよう警告した。(深津響、千田恒弥) 

 

 

 
 

IMAGE