( 263171 ) 2025/02/10 15:16:41 0 00 筑北村が返礼品にしている「はぜかけ米」
長野県の中信地方の市町村で本年度、コメを返礼品とするふるさと納税が急増している。「令和の米騒動」ともいわれた昨年夏のコメ不足や、その後も続く米価高騰を受けて、全国的にコメの需要が高まった影響とみられる。調達が追い付かないとして、コメを返礼品とするふるさと納税の受け付けを中止した自治体もある。
天日に干したはぜかけ米を返礼品としている筑北村では新米が出た昨年秋以降、主に首都圏からふるさと納税が殺到した。返礼品にコメ5キロ(納税額7千円)を選んだ納税件数は、2023年度は39件だったが、24年度は昨年12月末時点で357件に急伸。コメ3キロ(同5千円)と合わせ、返礼品として送ったコメの総量は23年度の210キロから2001キロに増えている。
返礼品用のはぜかけ米を取りまとめている村内の直売所「坂北やさいBOX」では、店で半年かけて売るのと同じ量を昨年11、12月に返礼品として出荷したため、品薄状態が続いている。村は確保が難しくなったとして、コメを返礼品とするふるさと納税の受け付けを中止している。
塩尻市は23年度まで小規模農家が作る自然栽培のコメを返礼品としていたが、24年度は流通業者が扱う市内産のコメも返礼品に追加。23年度に数十件だったコメの申し込みが、24年度は昨年12月末時点で1431件に急増した。「ものすごい人気で申し込みに対応できなくなる不安が生じた」(担当者)ため、市は同月から流通業者が扱う分の受け付けを中断している。
池田町でも昨年4~12月にコメを返礼品に選んだふるさと納税の寄付額が、前年同期の5倍弱に増えた。大町市ではコメを返礼品とするふるさと納税が今年1月末までに495件あり、23年度の230件を超えた。現在は在庫がほとんどなく、取り扱いを一時的に止めているという。
コメどころの松川村では、23年度に290件だったコメを返礼品とするふるさと納税が、24年度は今年1月末までで444件に上る。コメを取り扱う8業者のうち1業者は売り切れ、2業者は在庫が心許ないという。松本市でもコメの返礼品の受け付けが増えており、返礼品を扱う事業者からコメが品薄だとの声が聞かれるという。
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