( 263381 ) 2025/02/10 19:00:29 0 00 『おむすび』主演の橋本環奈 (C)ピンズバNEWS
橋本環奈(25)主演のNHK連続テレビ小説『おむすび』。3月末の最終回に向けて物語は2月3日から最終章「病院・管理栄養士編」に突入したが、数字面では厳しい局面を迎えている——。
『おむすび』は、橋本演じる平成元年生まれのヒロイン・米田結が高校時代に“ギャル文化”と出会い、やがて栄養士として人の心と未来を結んでいくという“平成青春グラフィティ”作品。
「主演が大人気俳優の橋本さんということで大いに期待されていた『おむすび』ですが、視聴率は序盤から現在まで苦戦続き。歴代朝ドラの平均視聴率ワーストは倉科カナさん(36)主演の『ウェルかめ』(2009年度後期)の世帯13.5%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)ですが、『おむすび』は2月6日放送回の時点でそれとタイ。
週平均視聴率が昨年末(12月23〜27日)から6週連続で12%台ですから、このままいけば、ほぼ確実にワースト記録を更新してしまうでしょうね……」(テレビ誌編集者)
この不調ぶりには、主演の橋本が昨年10月31日と今年1月23日の2度、『週刊文春』(文藝春秋)に“パワハラ疑惑”が報じられた影響もあるかもしれない。しかし、そうした事情を差し引いても《
》がたびたびXでトレンド入りし、シナリオ面に厳しい声が多く寄せられているのも事実だ。
「『おむすび』は“ギャル”というテーマが朝ドラの視聴層に合わないのでは、と当初から言われていましたが、回を追うごとにシナリオの“ダイジェスト感”が加速していることも、低評価の理由の1つのようです。
序盤からその傾向がありましたが、橋本さん演じる主人公・結が社会人となってから、さらに進んでいる感じですね」(前同)
『おむすび』は結(橋本)が高校1年生の入学式を迎えた日からスタート。途中まで幼少期の回想を挟みつつゆるやかに話が進んでいたが、後に結と結婚する高校球児・四ツ木翔也(佐野勇斗/26)と両想いになった回から一気に3年生まで時間が飛び、結が「うちらの高校時代、時間経つの早すぎ。一瞬で高3になった気がするっちゃけど」と、メタ発言をする場面もあった。
その後、結が結婚し、妊娠した際には「それから時が過ぎ……」のナレーションだけで1年近くが経過し、妊婦時代も出産シーンもカット。
さらに、結は勉強して管理栄養士の資格を取得。社員食堂から病院に転職したことで「最終章」に突入したわけだが、これも前回から一気に6年が経過し、管理栄養士として4年目を迎えたところからいきなりスタートしている。
《社食勤務で、子育てしながら、管理栄養士の国家資格はハードル高いし、総合病院勤務して4年で、あの振る舞いは不可能だ いや、ナレーションだけで時間飛びすぎだわ》 《なんというか、あらすじだけ、結果だけしかないドラマで、常にダイジェストを観ている気分》
といった声が、SNSにも寄せられている。
「また、ダイジェスト感と被る部分もありますが、メインテーマであるはずの“管理栄養士”に関する描写が雑で、“ギャル”の話が多すぎることにも不満の声が寄せられています。
主人公が“ギャルの精神”で登場人物を説得するとか、本筋とは別にギャル仲間がわちゃわちゃやっているシーンなどが多く、それがキツいと感じる視聴者も少なくない。肝心の管理栄養士になるための勉強などの重要な場面が、雑に飛ばされてしまっているという指摘も目立ちます。
他の仕事も目白押しで多忙な橋本さんのスケジュールの影響か、1月下旬には主人公の結が顔見せ程度しか登場しない回が2週続く異例の展開もありましたが、その際の“ギャル推し”の演出にうんざりした、という人も多いですね」(同)
『おむすび』では1月下旬、仲里依紗(35)演じる結(橋本)の姉・歩をメインにしたスピンオフのような週が2週続いたが、“古着屋でギャル服ファッションショーをやる”などギャルを前面に押し出した内容でもあり、
《こんなに雑に扱うなら、栄養士を題材にしないでほしい。栄養士は主人公がとりあえずついた仕事で、ギャルメインだけにすれば良い》 《我々は何を見せられている…90年代ギャルファッションで尺取るな》 《おむすびコレクションだって。 これ面白いの? 誰がコレ見て楽しい!ってなるんや》
といった不満の声も多かった。
「そこまで“ギャル”に重きを置くなら、管理栄養士を目指す結ではなく、挫折や葛藤の描写もしっかり描かれていた姉の歩を主役に据えたほうがおさまりが良かったのでは、なんてドラマの根幹に関わりそうな意見もちらほら……。
実際、仲さんは演技派で、ビジュアルも自立した強い女性という感じ。俳優としての格も十分で、朝ドラヒロインとして違和感のない役者ですよね。もっとも、仲さん演じる歩が主人公となると、視聴者受けの良くないギャル描写が余計に増えてしまうわけで……それはそれで問題がありそうですが」(前出のテレビ誌編集者)
『おむすび』は、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災が、主人公の結ら米田家のトラウマとして深く関わっているが、劇中で特に深掘りされていたのは、どちらかと言えば姉・歩の方だった。歩が阪神・淡路大震災の時期に中学生だったのに対して、結はまだ6歳と幼かったこともあるだろうが、
《「おむすび」は橋本環奈と仲里依紗のW主演というわけではなさそうだけど、キャストロールを見ると主人公の次は(夫の)翔也(佐野勇斗)ではなく、お姉ちゃんなので、実質あゆが主人公Bみたいなものなんじゃないかと思っています》 《おむすびは仲里依紗ちゃんが主演なんです??ってぐらい仲里依紗ちゃんの役の方が震災で傷ついてるしPTSDだし言いたいことが伝わる気がしている》 《震災絡めるなら主人公は結ではなく歩の方がしっくりくるよねって思った…》
といった声も多く寄せられている。
朝ドラ史上ワースト視聴率に向かって進んでいってしまっている『おむすび』。「朝ドラは大好きで見たいんだけど、今回は離脱してしまった」という声も多く聞こえてくるが、結局のところ、『おむすび』は何が悪かったのか——。朝ドラウォッチャーでもあるドラマライター・ヤマカワ氏はこう分析する。
「私もやはり、結と歩のダブルヒロインの方がよかったんじゃないかな、と思っています。
最近のところで言うと、管理栄養士の受験の描写は、時系列と結の娘の年齢を考えると、結は何度か試験に落ちているはずです。そういったエピソードが全く描かれていない。つまり、主人公の成長が描かれていないことによる朝ドラ感の薄さがありますよね。
そこにもつながる根本的なところは、スケジュールがタイトな橋本さんを主演にキャスティングしたことなのではと思われます。脚本がそれに大きく妥協してしまい、多くのエピソードが薄くなってしまった。
朝ドラには、ヒロイン不在の週を作らないというルールがあるとも聞きますが、『おむすび』はそれを破った作品とも言えるわけで……今作はかなり超売れっ子の橋本さんに対する忖度が働いた感じがしますね。そのことが、ドラマの質の低下につながってしまったのではないでしょうか」
ダイジェスト感が強い構成、雑に扱われたメインテーマ、主人公は姉・歩の方が良かった感……他にも原因はありそうだが、『おむすび』は“見たい朝ドラ”とはならず、多くの視聴者が離れてしまったことで、視聴率ワーストへ向かっていっている——。
ドラマライター・ヤマカワ
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