( 264011 ) 2025/02/12 05:01:55 0 00 対応が難しい試着現場でのマナー問題(イメージ)
連日、多くの外国人観光客が日本を訪れている。日本政府観光局によると、2024年に日本に訪れた外国人旅行者数は3686万9900人と過去最多を記録した。それに伴い、全国各地で深刻化しているのがマナー問題だ。有名観光地のオーバーツーリズム(観光公害)が指摘されることが多いが、身近な場にも及んでいる。アパレルショップやシューズショップの試着現場でも、さまざまマナー問題が起きているという――。
「アパレルショップで、服をめちゃくちゃ散らかしていくのは、外国から来た人たちが多い印象ですね……」
そう嘆くのは、ファッション好きの30代女性・Aさん(メーカー勤務)だ。よく行くショップでそうした光景を何度も見かけるようになったという。なかでも試着室でのマナーが「気になる」と語る。
「試着室に外国から来たお客さんがずっと居座っていて、結局時間がなくなって試着できず帰ったこともあります。とにかく試着時間が長い。試着室に荷物を置いたまま、商品を取りに行っては着るという行動を繰り返していて……。ある時は、店内で勝手にファッションショーの真似事をしていた外国人カップルを見たこともあります。女性がスマホで音楽を流して歌いながら、試着室からモデルのような歩き方で出てきて戻るのを繰り返していました。そんな彼女の様子を男性が動画撮影していたので、何か配信していたのかもしれません」
シューズショップで、外国人観光客の呆れたマナーを目撃したのは金融機関勤務の40代男性・Bさんだ。
「展示されている靴を手に取って元の場所に戻さない人、何足も靴を試し履きした挙げ句、その靴を蹴って店員に片づけさせようとする人……。店員さんも大変だなと思いつつ見ていました。あと客側として個人的に嫌だったのは、『裸足』で試し履きするケースですね」
試し履き用の椅子を本来の用途で使っていない外国人観光客も目立つという。Bさんは「もはや無法地帯」だと嘆く。
「靴を試し履きをするわけでもなく、休憩のために椅子に座っている外国人は当たり前。スマホを見ているだけならまだいい方で、小さな子供を寝かせていたり、飲み物を飲んだり、ソフトクリームを食べている人までいました。
あるときは、私が椅子に座って試し履きをしていて、ちょっと履き心地を確認するために立ち上がったら、すぐに外国人に座られたこともありました。私の荷物が置いてあるにもかかわらず、お構いなしです」(Bさん)
店員側はどのように受け止めているのだろうか。都内のアパレルショップで働く30代女性・Cさんは、「文化の違いで仕方ない部分もあると思いますが……」と悩ましさを語る。
まず、Cさんの店では「靴のまま試着室に入る外国人が多い」ことに悩まされた。
「試着の際に靴を履いたまま、試着室に入ってしまう外国人のお客様はたくさんいます。英語の張り紙で呼びかけていますが、気づかない方もいる。もちろん見かけたら注意するのですが、最近は、もう靴のまま入っていいようにしようか、という話が出るほど諦めムードになっています」
最近Cさんの店で悩みの種になっているのは、外国人観光客の「香水のにおい」だ。
「外国人は日本人よりも香水のにおいが強い方が多いですね。試着室内に香水のにおいが充満してしまい、日本人のお客様からクレームがあるほどです。厄介なのは試着室だけでなく、服に香水のにおいがついてしまうこと。特に夏場は、試着した服に汗と香水の香りがたっぷり染み込むことがあって、すぐには陳列棚に戻せません」(Cさん)
国や文化が違えば、マナーに対しての意識も異なるもの。とはいえ急激な訪日外国人数の増加でマナー啓発が追いつかず、苦労している現場は少なくないのかもしれない。
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