( 265471 ) 2025/02/15 04:43:57 0 00 元銀行員・階議員
14日、衆議院予算委員会にて立憲民主党の階猛議員が「国の基金の予算に発生する金利」について各大臣を追及した。
日本長期信用銀行(現:SBI新生銀行)に入行した経歴をもつ階議員が、13日に加藤大臣と重徳議員が質疑において言及された「基金の約8.1兆円の使い残し」について以下のように述べた。
「金利のある世界になってきて、今は予算積算金利2%だ。仮に8兆円、1年間使わずに貯め込んで残すと、それだけで1600億円金利支払いが増える。必要な時に使うのは我々も全く賛成だ。ただ、必要になる前に借金をして、借りて“ブタ積み”にしておく、こんなことは民間企業ではあり得ない。これまで同僚が取り上げてきた4つの基金、あるいは追加予算についてどういう運用実績になっているのか?」
防衛装備移転円滑化基金の運用益を聞かれた中谷防衛大臣は「基金の預金利子は、令和6年8月時点において約500万円となっており、基金残高に充てている。なお、防衛装備移転は、移転先の国の防衛力整備上のニーズに基づいて具体的な案件が形成されるので、具体的には流動的で…」と答えたところで「時間がないので」と制された。
これを受けて階議員は「ちなみに、私どもが試算したところ、現在800億円で、来年度予算で1200億円、平均残高1000億円とすると、もし1年間使わなければ年間約20億円、利息支払いで消える。20億円利息を払って500万円? こんなことは民間ではあり得ない」と指摘した。
続いて、先端国際共同研究推進基金の中のいわゆるグローバル・スタート・アップキャンパス関連の運用益を問われたあべ文部科学大臣は「令和5年度の運用収入は508万円」と回答。
階議員は「508万円。我々が試算した年間の支払い利息は約11億円。11億円利息払って500万円。これもあり得ない」とバッサリ。
ワクチン生産体制等緊急整備基金について福岡厚生労働大臣は「令和2年度から令和5年度まで合わせて約22億円の運用損が発生している」と回答。
階議員は「聞きました? 運用益ではなく、マイナス金利の時もあったりして、預けたら多額の資金は銀行が預かってくれない。それでマイナス20億円、逆に払っている。損が出ていて、なおかつ借金をしてその基金を作ってるわけなので『往復ビンタ』みたいなものだ。調達コストも莫大な金額になっている」と指摘した。
基金ではなく、補正予算として約1500億円が出ているグローバルサウス未来志向型共創等事業について武藤経済産業大臣は「今の事業ということで、運用益については基金事業ではないので発生してないという認識だ」と回答。
階議員は「しかし、予算で手当てした後、公募実施期間に1500億円であるため年間に30億円。半年としても15億円もの利息を払っている。15億円あったらいろんなことができる。そんなずさんなお金の使い方、お金の寝かせ方。今金利のある世界に変わってきている。昔のマイナス金利、超低金利の黒田総裁の時代なら100歩譲って許されたかもしれないが、今は許されない。認識を変えてほしい」と訴えた。
これを受けて加藤財務大臣は「調達金利がどうなのかはなかなか難しいところだ。ただし、お金というのは常に機会費用が発生してる、そういうご観点だと思う。今、3基金については、それぞれ運用が規定されている。基金はいつどこで支出があるかわかんないため、こういう基金の仕組みを取っている。したがって、短期の運用にどうしてもならざるを得ない。今(階)委員が指摘した金額、例えば国債で運用する。例えば10年ものにする、金利が上がり、債権が下がる。しかし、その時に突然資金需要が出た時にどういうことになるのか。そういったところも含めて、よくそれぞれの当該官庁において、安定的な、しかしおっしゃるように機会費用も当然認識をしながら適切な運用していただく必要があると思う」と述べた。
これを受けて階議員は「大臣、ピントがずれている。私は別に運用して儲けろとは言っていない。ブタ積みするんだったらちゃんと返して、必要な時に予算を手当てすればいいと言っている。財務大臣として、国の財政事情が厳しい時にこんな無駄な利払い放置しといていいのか」と返した。
さらに加藤財務大臣は「(階)委員が全く基金の必要がないと言うのであれば、それは1つの考えだ。ただ、基金そのものの計上する予算は当該年度において、例えば7年度において確実に歳出される、これはもう当然通常の予算に計上すべきものであって、そこが必ずしも明らかでないことをベースとして、しかしそうした対応が今求められている。それに対応するために基金を積んで、その中身については、色々議論はあるが、我々当該官庁からも色々話を聞いて必要なお金を積み上げている。当然積み過ぎと言われる意味は、8年度以降の数字を言えば、それは6、7、8、9、あるいは今の3年適用ルールの前で言えば、それを超える部分についても対応してきているため、先般の示した数字は使い残しという意味ではなく、8年度以降も必要なお金ということで分類して示している」と述べた。
階議員は「令和8年度以降の話をしているわけではなく、令和7年度、この1年間だけでも何十億という利払いが無駄になっている。令和8年度に必要だったら、令和8年度の予算で手当てすればいい」と指摘した。 (ABEMA NEWS)
ABEMA TIMES編集部
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