( 265511 ) 2025/02/15 05:29:02 0 00 FNNプライムオンライン
米の価格の高騰が続く中、土鍋ご飯いくしか・中目黒店はご飯が主役のお店です。 土鍋で炊き上げたご飯をおひつで提供、おかわりは自由とあって大人気です。
しかし、米の値段は高止まり。
店長は「1日あたりお米を35kgくらい使うんですけど、お米の仕入れ値でいうと、去年に比べて2倍の値段になっています」と話しました。
2024年10月に一部のメニューで100円値上げしましたが、何とかそこで耐えて頑張っているといいます。
そんな米の値下がりの切り札になるのでしょうか。 14日、江藤農水相は備蓄米の放出量などについて詳細を発表しました。
江藤農水相: 販売数量は21万トンとします。これはいわゆる流通が滞っている、スタックしている。この状況をなんとしても改善したい、強い決意の数字だと受け止めていただきたい。
流通の円滑化を目的とした放出は初めてです。 しかし、土鍋ご飯が人気のお店からは厳しい意見が…。
土鍋ご飯いくしか・中目黒店 加藤雄大店長: 直近でいうとおそらく(米の)価格は下がるかなと思うのでうれしい半面、この2月の時点でもう備蓄米を開放するとなると、次の新米が出るまでのストックがもうなくなるので、その先で値段が上がるんじゃないかということが心配。
本当に備蓄米の放出で価格は下がるのでしょうか。 江藤農水相は「他に手がない、他に手がないです。そしてあまりにも高いですよ。このカードより他に手がないということなので、私が責任をとるという覚悟のもとに、カードを切ったということになります」と、並々ならぬ決意だと強調しました。
今回放出される備蓄米は21万トン。 その根拠は…。
2024年の米の生産量は、前年より18万トン増えていました。 しかし、年末に集荷業者が集めた量は前の年より21万トンも減っていたのです。
この消えた21万トンが価格高騰の背景にあるとみられているのです。
そもそも、消えた米はどこにあるのか。 その行方を探し取材班が向かったのは、兵庫県にある中小の卸売業者。
今回、匿名を条件に取材に応じました。
この卸売業者は農家から直接米を買い、飲食店や個人などに販売しているといいます。 政府が把握する主な集荷業者には該当していません。
倉庫に、高く積まれた袋が。 約600トンの米です。
兵庫県にある中小の卸売業者: ほぼ全部(令和)6年産です。去年の秋にとれたやつ。その奥に(令和)5年産がちょっとあるぐらい。(Q.去年のこの時期と比べてお米の量はどうですか?)入荷した量は今年の方が1.5倍くらいは多いんですけど。
今回は例年よりも多くの米を買い集めたといいます。
その理由について「自分らもお米がないと商売にならないからね。余ったら余ったで米やから絶対売れるからね。だからもう買えるときに買わんと」と説明。
卸売業者が“売り渋り”をしていると指摘されていることについては「やっぱりある程度ストックしている業者と農家があると。去年みたいになったらいけないから、ある程度多めに保管している。やっぱり一気に出すということは多分しないと思う」と話しました。
取引先の都合もあり、高い時に売るということなく、備蓄米が放出されても“消えた米”をすぐには売りに出さないといいます。
一方、米の卸売業者は米の価格高騰の背景には“JAが中小の卸売業者に買い負けているのが原因”と主張します。
卸売業者の専務: (JAが提示した)値段が安かったんです。それとJA離れというのもある。
そこで14日、JAを取材。 備蓄米の放出について尋ねると「お米が全国的に不足しているという認識は、私どもにはありません。備蓄米を買うことはないです。JAは(備蓄米を)買いません」と、米は足りているため、備蓄米を買う予定はないと話しました。
米の高騰が続く中、14日、東京都内のおむすび専門店を訪ねると、店内は多くの外国人でにぎわっていました。 日本人の主食・お米を握ったおにぎりは外国人観光客にも大人気です。
具がたっぷり入ったふわふわのおにぎり。 味の決め手は、やっぱりお米です。
おにぎり戸越屋・木村英二管理部長は「2年前から比べると、約3〜4割上がっているという状況」と話します。
そんな中、14日、詳細が発表された備蓄米の放出。 しかし期待だけではないようです。
おにぎり戸越屋・木村英二管理部長: 個人的な意見は市場に出ることによって、うちが使っているブランド米も影響を受けてほしい。価格が下がってくれればと思うが、そんなすぐには反映しないだろう。
フジテレビ,経済部,FNN
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