( 265516 ) 2025/02/15 05:32:48 0 00 政府が14日に備蓄米21万トンの放出を発表したのを受け、コメの価格高騰にあえいでいた消費者や飲食店からは値下がりを期待する声が上がった。
稲刈りが行われる田んぼ
東京都墨田区の「スーパーイズミ業平店」では、例年は5キロ・グラムで2000円程度のコメが、今年は4000円以上で販売されている。五味衛社長(65)は「仕入れ値が高すぎる。販売数は例年の3分の1くらいに落ち込み、店先に置いておくだけになっている」という。
この日、同店を訪れた近くの主婦キム・ジュソンさん(50)は「小学生の娘2人が食べ盛りで食事を減らすわけにいかず、パンや麺類を増やしてやりくりしているが、限界がある。備蓄米が流通して、値下がりしてくれればありがたい」と話した。
都内などでオムライス専門店を経営する春山佳久社長(43)は「価格高騰のダブルパンチに苦しんでいる」と嘆く。コメに加え、鳥インフルエンザの感染拡大で卵の価格も上昇。材料の見直しなどでメニューの価格は据え置いてきたが、「高騰が続けば値上げも検討しなければならない」と懸念する。「政府には今後も価格が安定するよう取り組んでほしい」と訴えた。
昨夏から続く「令和の米騒動」は、学校給食にも影響を及ぼしかねない状況となっている。全国学校給食推進連合会は1月、11都府県で給食米の年間の必要量を確保できていないとして、備蓄米の放出などにより供給と価格を安定させるよう江藤農相に要望していた。
同会の三橋一慶事務局長は「米飯の回数を減らす事態には至っていないが、自治体は大きな不安を抱えていた。安心して給食米が確保できるようになってほしい」と話した。
農林水産省によると、今回はまず、備蓄米21万トンのうち15万トン(2024年産10万トン、23年産5万トン)が放出される。「備蓄米」とは表記されず、普通のコメと同じように流通、販売される。
埼玉県内で備蓄米2万トンを保管している倉庫会社の男性社長は「収穫後の鮮度を保てるよう室温10度前後、湿度60~65%で管理を徹底しており、一般に流通している普通のコメと変わらない」と説明している。
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