( 265751 ) 2025/02/15 17:03:43 0 00 2025年1月30日、スズキは新型「ジムニーノマド」を発表しました。
いわゆる「5ドアのジムニーシエラ」であるジムニー ノマドは、2023年1月にインドで世界初公開されて以来、国内市場への導入がたびたび噂されていました。
一方、満を持して国内導入を果たしたジムニー ノマドは、当初の想定を大きく超える約5万台もの受注を獲得したことで、発表から1週間も経たないうちに新規の受注が停止されてしまいました。
2025年1月30日に発表されたスズキ新型「ジムニーノマド」
スズキは「早期に受注を再開できるよう、全社を挙げて取り組んでまいります」としているものの、受注再開までに相当な時間を要すると考えるユーザーも少なくないようです。
実際、スズキはジムニー ノマドの月間目標販売台数を1200台と発表しており、それに対して5万台の受注があったのであれば、それだけの台数を販売するのにおよそ3年半を要する計算となります。
また、すでに販売されているジムニー/ジムニー シエラも慢性的に年単位の長納期となっていることも、ユーザーの不安を後押ししています。
ただ、混乱状況にあるのは販売店も同様のようです。
都内にあるスズキの販売店担当者は次のように話します。
「ジムニーノマドが発表されると同時に、販売店には多くのお客様からお問い合わせがありました。
その数はこれまでにないほどであり、スタッフの手が空くまでお客様にお待ちいただかなければならなかったほどです。
納期についても現状では見通しが立っておらず、『年単位となる可能性がある』とお伝えするにとどまっています」
その一方で、「意外にも早く受注再開となる可能性もある」という指摘もあります。
2025年1月30日に発表されたスズキ新型「ジムニーノマド」
ある業界関係者は次のように話します。
「2018年に現行型ジムニー/ジムニーシエラが発売された際にも長納期が問題となりましたが、その根本的な要因は生産台数が少ないことにありました。
日本で販売されているジムニー/ジムニーシエラは、静岡県にある湖西工場で生産されています。
ただ、ラダーフレーム構造を持つジムニー/ジムニーシエラは、専用ラインでの生産となることから簡単には増産することができず、想定を超える受注があると納期を伸ばさざるを得ません。
そうしたなか、2021年にはインドのグルガオン工場でもジムニーシエラの生産が開始されたことで、湖西工場はこれまで以上に日本向けの生産に注力できるようになりました。
これにより、日本におけるジムニー/ジムニーシエラの納期はかなり短縮されることになったわけです。
一方、新型ジムニーノマドはそのすべてがグルガオン工場で生産される予定です。
グルガオン工場は、「イグニス」や「アルト」といった乗用車も含めて年間70万台規模の生産能力を有しており、ジムニーシリーズも少なくとも年間10万台規模の生産が可能と見られます。
つまり、ジムニーノマドに関しては、ジムニー/ジムニーシエラのようにそもそもの生産台数が限られているわけではありません。
極端な話ですが、グルガオン工場で生産されるすべてを日本向けの新型ジムニーノマドにすれば、およそ5万台のバックオーダーは半年程度で解消できる計算となります。
実際には各市場のバランスをとったうえで日本の割当台数が決まると思われますが、最大の市場であるインドではすでにジムニーシリーズの販売台数が落ち着きつつあることから、遅かれ早かれ、日本向けの新型ジムニーノマドの増産が決定すると見られます」
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新型ジムニーノマドの納期については、中長期的に見てもポジティブな要素があります。
現在、スズキはインドで3つの工場を持っており、その生産能力は235万台にもおよびます。
そのうえで、スズキでは2028年までに各工場の生産ラインを増強し、合計生産能力を460万台規模にまで引き上げる方針を示しており、これが実現すればジムニーシリーズの生産台数もさらに増えることは確実です。
こうした状況を総合すると、ジムニー ノマドの受注停止はあくまで一時的なものであり、そう遠くない将来に受注が再開される可能性は十分にあると言えそうです。
Peacock Blue K.K.
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