( 266026 ) 2025/02/16 06:00:57 0 00 新東名や新名神などの高速道路では、せっかく道路が片側3車線あるのに、大型トラックが3車線に横並びで走行する「トラック3ワイド」の状態を見かけることがあります。
後続のクルマがトラックにせき止められて、クルマの流れが滞ってしまうこともありますが、なぜ起きがちなのでしょうか。
料金所の「出口」から進入した逆走車に対し…(イメージ画像:写真AC)。
トラックが3車線に横並び3ワイドの状態で走行し、後続車は追い越しができずせき止められてしまうことがあります。
並んだトラックには速度の差がほとんどないことから、しばらく3ワイドの状態で並走し続けることになってしまい、後続車は回避することができません。
3ワイドのトラックの後ろに連なるクルマはスピードを落とさざるを得なくなり、ほとんど渋滞のような状況が生じます。
このような状況が生じてしまうのには、トラックの特徴に要因があります。
一般的に、クルマは大きいほど急加速や急減速など「急」のつく動きが難しく、追い越し車線に移ってから急激にスピードを上げて短時間で追い越すのは困難です。
それに加えて、車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上の大型トラックには90km/hの「速度抑制装置」(スピードリミッター)の装着が義務付けられていることから、その区間の制限速度に関わらず、そもそも90km/h以上のスピードを出すことができません。
そのため、大型トラック同士での追い越しは、とてもゆっくりとした動きになりがちです。
それに加えて、慎重な輸送が求められる精密機器や壊れやすい物を積載していた場合、急な操作による荷崩れや荷物の損傷を避けるために、トラックのドライバーにはさらに慎重な運転が求められます。
こういったことから、追い越し車線に移動してからも急に速度を上げることができず、また元の速度に戻すために一気に減速することも難しいため、追い越しに時間がかかってしまうのです。
ちなみにトレーラーの場合、高速道路においては「一番左側の車線(第一通行帯)を走行しなければならない」と定められています。
もちろん最低速度(50km/h)に達しない速度のクルマを追い越す時や、道路状況によりやむを得ない場合は除きますが、あくまで例外です。指定された車線以外の場所を走行していると、「通行帯違反」として交通違反となってしまうため注意が必要です。
いっぽうで普通車であっても「追い越し車線を走り続ける」行為は通行帯違反に該当する可能性があります。通行帯違反は違反点数1点、反則金は普通車で6000円、大型車で7000円が科されます。
なお、「トラック3ワイド」に遭遇した時に、無理やり「路肩から抜いていく」行為は危険です。「通行区分違反」として、違反点数2点、反則金9000円(普通車)が科せられることになりますので、絶対にやめましょう。
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近年では高速道路の制限速度が見直され、110km/h区間や120km/h区間なども増えてきています。
これにより普通車と大型トラックとの速度差が大きくなることも考えられ、トラックの3ワイドに遭遇して不快な気持ちになることがあるかもしれません。
しかし、交通事故や違反を起こさないためにも、車間距離をしっかりと確保し安全運転を心がけることが大切です。
もし堪忍袋の緒が切れそうで、思わず「こいつらは社会にとって害悪だ。正義のために俺が何とかしないといけない」といった攻撃モードを自覚した場合、帰宅後すみやかに運転免許証を返納しましょう。
くるまのニュースライター 市川ミナミ
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