( 266126 )  2025/02/16 15:11:45  
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公選法違反疑惑が飛び出した石丸伸二氏。だが、その釈明会見では…… 

 

昨年11月に行われた兵庫県知事選挙で、SNSの運用に関して斎藤元彦知事(47)がPR会社に報酬を支払ったのは公職選挙法違反に当たるとして刑事告発されていたが、今月7日、神戸地検と兵庫県警はPR会社の関係先を同法違反の疑いで家宅捜索した。 

 

その前日である2月6日発売の『週刊文春』は何かと注目を浴びている石丸伸二氏(42)の、これまた公選法違反疑惑を報じている。 

 

石丸氏といえば、昨年7月の東京都知事選挙に無所属で出馬しながらも、現職の小池百合子氏(72)に次ぐ160万超の票を獲得し、その躍進ぶりは、“石丸現象”“石丸旋風”と呼ばれた。 

 

SNSを駆使した選挙活動が無党派層や若者に支持された結果で、兵庫県知事選でクローズアップされた『SNS選挙』の先駆者でもあった。 

 

そして石丸氏の公選法違反疑惑は斎藤氏と同様に、このSNSが関係している。 

 

石丸氏は、自身のYouTubeチャンネルで選挙期間中の動画を配信しているが、ライブ配信された決起集会の映像が専門の業者に有償で依頼し、撮影されていたのではないか、という疑惑が生じている。 

 

「石丸氏が東京都選管に提出した『選挙運動費用収支報告書』の支出費目(広告費)の欄にライブ配信された日の分の支出として97万7350円の記載があります。名目は《ライブ配信機材キャンセル料》となっています。支払先はライブ配信などを専門に手掛ける会社です。これが疑惑を生んだ要因になっています」(全国紙記者) 

 

キャンセルしたというのに、現場では件の専門業者の関係者とみられる集団が撮影していて、クオリティの高い、プロが作ったとみられる動画が配信されたことの不可解さを指摘されているのだ。 

 

石丸陣営の説明によれば、当初配信を専門業者に依頼していたが、「買収」の懸念が生じたため、キャンセルしたという。だが直近でのキャンセルということで、見積もり金額全額を支払ったようだ。しかし、実際は専門業者が撮影および配信を行っている。 

 

これに関しては、あくまで専門業者の人たちのボランティアだったと主張しているが、“どこかで聞いたことのある話だな”と思った人は多いだろう。斎藤元彦兵庫県知事とPR会社をめぐる公職選挙法違反疑惑騒動と構図が似ているからだ。 

 

『文春』報道を受けて、石丸氏は2月6日に急遽説明会見を開いた。 

 

会見で石丸氏は、選挙運動に不備があったことを謝罪し、キャンセル料に関しては『機材レンタル料』と認識していると語ったが、司会を務めた陣営の事務局長が、担当者が業者に対し請求書の名目書き換えを指示していたと公表した。 

 

◆インタビューをノーカットで放送は無理 

 

2人の説明が食い違ったことに、ネットでは 

 

《会見を開く前に、打ち合わせしてないのか》 

 

《代表者が陣営スタッフと意思疎通ができてないって、最悪じゃないか》 

 

という声が上がっている。会見で石丸氏は訂正していたが、最初の発言は 

 

《主観で言ってしまった》 

 

《前提として、業者に悪意はなかった》 

 

などと語っていて、何かズレている感じがした。“大丈夫か”という声が出るのももっともだ。 

 

そして、この会見で、石丸氏はまたまたメディアに噛みついた。 

 

1月15日の新党発足の会見では、自身がインタビューを受けた映像をフルで放送しなかったことに対しテレビ朝日に文句を言っていたが、以前にはやはり同じように自身の発言を編集して放送したテレビ局に対し、今後取材を受けないと“出禁”にした経緯がある。 

 

そのときは、 

 

《テレビ局は困るだろう》 

 

という発言もしていた。 

 

いやはやなんともだ。『ドキュメンタリー・石丸伸二』じゃないんだから、放送時間が決められている情報番組内でインタビュー映像をノーカットで放送するなんてことは、無理だって、誰でもわかるはずだ。それが嫌なら初めから取材を受けなければいいだろう。 

 

テレビ局が困ることは一切ないと、断言できる。 

 

◆“ポンコツ政党”化と書かれ 

 

そして今回は、1月16日に配信された『日刊ゲンダイ Digital』で 

 

《“ポンコツ政党”化は避けられそうにない》 

 

と書かれたことに対してご不満の様子で、会場に来ていた同紙の記者に詰め寄っていた。 

 

「政治家はいろいろと批判されるものです。“ポンコツ”は記者が感じたことなので、それが気に食わなかったら、見返してやるくらいの気概が欲しいですね。“悪口が跋扈するとろくなことがない”なんてことも言っていましたが、そんなことをいちいち気にしていたら政治家は務まらないでしょう」(前出・全国紙) 

 

“ポンコツ”というより“幼稚さ”を感じてしまう。 

 

石丸氏は広島県安芸高田市長を務めていたころから、“ニューウェイブの政治家”として注目を集め、東京都知事選ではその新鮮さに惹かれた若者や無党派層が票を入れたが、選挙演説で政策を語ることはほとんどなかった。 

 

「政見放送や取材では、地方から改革を進め、日本を再生したいというような趣旨のことを語っていましたが、覚えている人はほとんどいないでしょうね」(テレビ局報道記者) 

 

過去を知らない若い石丸支持派は新しい政策のように見え、新鮮に感じるかもしれないが、 

 

「彼が叫んでいる、“日本再生・改革”というのは今まで多くの政治家が言ってきたことで、使い古された言葉です。地域政党を作り、そこから日本の再生を図るということも、もう何十年も前からやっていますからね。いまさら何を言っているんだ、と思う有権者も多いのでは」(前出・全国紙記者) 

 

新党の旗揚げ会見では、どうやって立候補者を支援するか細かい内容が発表されたが、党としての具体的な政策や目標は発表されなかった。これに対しネットでは 

 

《これは政治団体というより、選挙互助会だな》 

 

と揶揄する声も出ている。 

 

“ポンコツ石丸”の汚名返上はできるのだろうかーー。 

 

 

 

取材・文:佐々木博之(芸能ジャーナリスト) 

 

FRIDAYデジタル 

 

 

 
 

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