( 266211 ) 2025/02/16 16:50:43 0 00 写真:現代ビジネス
《ウーバーイーツ最悪…。 19時→19時半→20時と到着が延びた挙句、勝手にキャンセルされた。 こっちは体調悪くてどうしようもなく頼んだのに、頑張って待ってた子供はガン泣きだし、店に電話したらモノはできてるって言うし。 何なん?!解約してやったわ。》
今年1月6日、Xに投稿されたこちらのUber Eatsへの不満ポストが話題となり、5.2万もの“いいね”が集まる事態となっていた。最近このようなUber Eatsについてのトラブルを報告する投稿が増えているのだ。一方で、Uber Eatsの配達員からは「単価の大幅引き下げで配達員が減り、配達が滞るケースが多発している」といった内情を暴露する声も寄せられている。
とくに昨年から今年にかけての年末年始でトラブルが多発していたようだが、いったいUber Eatsになにが起こっているのか。今回は現役Uber Eats配達員の男性3名に実情を語ってもらう。
記事前編は【いまUberEatsに「異常事態」が起きていた…「勝手にキャンセル」「配達遅れ」が相次いでいるワケ】から。
年末年始に話題となった配達遅延などの問題の背景には、配達員の報酬単価の引き下げがあるとされている。だが実は、こうした単価の減少は今回が初めてではなく、過去に何度も繰り返されてきた現象なのだそう。
「配達員を6年ほど続けていますが、単価が下がるケースはこれまでにも何度かありました。特に2023年の夏頃には大きな単価引き下げがありましたよ。ただ、そのときは2、3カ月後になぜか少しずつ単価が元に戻ったように感じます」(Aさん)
だがBさんの意見は異なる。
「単価が下がっているという話題は年に1、2回ほど配達員の間で出てきますが、減少が解消され以前の金額に戻るということはほとんどありません。ですから報酬単価は年々下がっている印象です。例えばコロナ禍のときは、東京駅近辺でやっていると時給換算で3000円前後稼げていた時期もありましたが、今は時給換算で1250~1500円程度にまで落ち込んでいますからね」
また、配達員の間では「報酬単価の減少は“インセンティブ”によって誤魔化されている」という声も少なくない。
インセンティブとは、“予定配達料”に追加される報酬のことで、需要が高い条件下で報酬が増加する仕組みだ。具体的には、特定の地域や時間帯で基本料金が一定の倍率で上乗せされる『ブースト』や、一定期間内の配達件数に応じてボーナスが支払われる『クエスト』が挙げられる。
運営側は報酬単価を引き下げる際、こうしたインセンティブをアピールしてあたかも収入が変わらないかのように見せかけているのではないか――そんな疑念が配達員たちの間で広がっているのだ。
「クエストは一週間の配達件数でもらえるボーナス『週間クエスト』や、雨や雪が降っている時に配達するともらえるボーナス『雨の日クエスト』など、通年を通して用意されています。配達実績によって数値は異なると思いますが、私の場合は1回あたり300円~1000円程度のインセンティブが加算されます。
年末年始は特に高いクエストが用意されていましたが、これらは一時的なものに過ぎません。報酬単価が下がっていることをそういったインセンティブでうやむやにしているように思わざるを得ません」(Bさん)
SNSで顧客からの悪評が広まってしまったことで、注文数そのものが減少しているという現状を憂える声もある。
「今回の年末年始にSNSで炎上したこともあって注文数が激減しているんです。配達員の収入は単価×注文数で成り立っているので、現在のUber Eatsでの収入は労働力に見合わないと感じています。このままの状況が続くのであれば、配達の仕事を辞めざるを得ません。
今は配達員不足も叫ばれていますが、仮に単価が戻ったとしても注文数が回復しない限り、配達員がまた増えてくるということはないでしょう。Uber Eatsの自由な働き方には魅力を感じていますが、運営側には報酬面の改善とユーザーの信頼回復に努めてもらいたいです」(Bさん)
AさんやCさんもサービス自体の利便性や働き方に魅力を感じているそうだが、不満を抱く点も少なくないという。
「単価を下げること自体には、運営側の事情もあるのだろうと理解はできます。ただ、なんの事前報告もなく、突然単価を下げられるのは少々憤りを感じますし、今のような状況は配達員だけでなく利用者にも迷惑がかかっているので、悪循環を招いています。隙間時間に働ける点はとても良いので、配達員が納得できる単価を設定できる仕組みが整うことを願っています」(Aさん)
「自分の好きな時間に働ける点はとても良いです。ただし、報酬は時期や時間帯によって大きく左右されるため、安定しないのが難しいところですね」(Cさん)
――顧客の利便性を守りつつ、配達員が納得して働ける環境を構築することが、Uber Eats運営側に求められているということだろう。
(取材・文=逢ヶ瀬十吾/A4studio)
A4studio(編集プロダクション)
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