( 266366 ) 2025/02/17 02:59:23 0 00 有本明弘さん
北朝鮮による拉致被害者で、神戸市出身の有本恵子さん=失踪当時(23)=の父、有本明弘(ありもと・あきひろ)さんが14日未明、老衰のため死去したことが分かった。96歳。自宅は同市長田区。葬儀・告別式は既に執り行ったという。支援団体の「救う会兵庫」への取材で分かった。
三女の恵子さんはロンドンに留学中の1983年、旅先のデンマークから家族に充てた手紙を最後に、消息不明に。88年に、札幌市出身の拉致被害者石岡亨さんが日本の自宅に宛てた手紙で、恵子さんが北朝鮮にいることが判明した。
明弘さんは妻の嘉代子さんとともに、外務省や警察などに何度も足を運び、安否確認を求め続け、2002年3月に政府に拉致被害者と認定された。
02年9月には小泉純一郎首相(当時)が訪朝し、北朝鮮が拉致を認めた。恵子さんの安否については「ガス事故で死亡」と伝えたが、死亡を裏付ける証拠はなかった。
明弘さんは、嘉代子さんらとともに、国に対して要望や支援を求める署名活動を開始。各地で講演し、「恵子は生きている。顔を見るまでは死ねない」などと訴えてきた。
だが、嘉代子さんは20年2月、心不全のため94歳で死去。明弘さんはその後も解決に向けた活動を続け、恵子さんとの再会を信じて待ちわびていたが、拉致問題は進展せず、願いはかなわなかった。
明弘さんは昨年12月、神戸市中央区で開かれていた北朝鮮の拉致被害について知ってもらうためのパネル展会場を訪れ、「ぎりぎりいっぱいまで生きてきた。年齢的にももう限界」などと口にしていた。
02年に帰国した拉致被害者以外の政府認定者のうち、親世代で健在なのは、横田めぐみさん=失踪当時(13)=の母早紀江さん(89)だけになった。
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