( 267641 )  2025/02/19 17:07:16  
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口を開けば「万博来てや!」/(C)共同通信社 

 

 関係者以外は見向きもしない大阪・関西万博の開催が刻一刻と迫っている。残すところ50日あまり。日本国際博覧会協会(万博協会)は会期中に延べ2820万人の来場を見込むものの、チケット販売目標はいまなお未達。好転の兆しは見えない。誘致した日本維新の会代表の吉村府知事は露骨な地方セールスに乗り出したが、その売り口上にはア然だ。〈全く魅力がないことがよく分かる〉〈いいとこなし〉などと、ネット上で失笑を買っている。 

 

 吉村は12日にKKB鹿児島放送「News+おやっと!」、翌日は熊本朝日放送「くまもとLive touch」にスタジオ生出演。いずれも夕方の情報番組で、枠は20分ほど。テーマはズバリ「万博」だったのだが、熊本で吉村が語った「見どころ」がひどかった。 

 

「海外パビリオン、ホントにものすごいものが出来上がっています」 

 

「個性豊かなものがたくさんできています。フランス、ドイツ、アメリカ、いろんな国がこの万博に力を入れてきてますので」 

 

「いま円安でなかなか海外に行けないから、それならここ(万博)に行ってもらって、世界がギュッと凝縮してるっていうのをぜひみなさんに体感してもらえたら」 

 

 しかし、何がどう「ものすごい」かは説明がなく、具体性ゼロ。円安だというのに少なくとも12カ国が撤退している。 

 

■「行きたいと思わない」7割 

 

 ひたすら推していたのが、約344億円の建設費を投じる木造リング。〈大屋根リング(1周約2㎞)は熊本城一帯を囲む大きさ〉と記された空中写真入りのフリップを持ち出し、「圧倒的な存在感の木造リングもありますし、そしてそこには未来社会があります」とアピールした。 

 

 そうして、「USJもありますから、大阪城もありますんで、ついでにちょっと万博行ってみようかなと。チケット、コンビニで販売してますんで」と締めくくり。「ついで」程度の集客力しか期待できない国家プロジェクトに投じられるコストは莫大だ。会場整備費だけで約2350億円。そのうち3分の1は、全国から吸い上げられた血税である。 

 

 毎日新聞の世論調査(15、16日実施)によると、万博に「行きたいとは思わない」との回答が67%。「行きたいと思う」と答えた16%を大きく上回った。維新がIR(カジノを含む統合型リゾート)誘致の地ならしに利用しただけの万博が盛り上がるわけがないのだ。 

 

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