( 267716 )  2025/02/20 03:16:24  
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国民民主党の榛葉賀津也幹事長(2024年12月撮影) 

 

 国民民主党は19日、国会内で幹部が緊急記者会見を開いた。党肝いりの「年収103万円の壁」の178万円引き上げをめぐり、18日に自民党から出された基礎控除引き上げに関する「自民党案」について、案に記された所得制限の撤廃を自民党に求めて行く考えを示した。 

 

 榛葉賀津也幹事長は自民党案について「話にならないね」と、切り捨てた。 

 

 国民民主は19日昼、党の税制調査会の会合を開き、自民党案について意見交換。その後、古川元久代表代行、榛葉幹事長、浜口誠政調会長の幹部3人が、そろって記者会見に臨んだ。 

 

 18日に示された「自民党案」は、給与収入が200万円相当以下の人には基礎控除額を37万円を上乗せし、現在審議中の123万円から、160万円に引き上げるとしている。恒久的な措置という。また給与収入が200万円相当~500万円以下の人には、今年分と来年分に限り、基礎控除を10万円を上乗せするという内容。いずれも、国民民主党が求める178万円には届いていない。また、所得制限を設けたり、時限措置とする内容に、18日の3党協議では国民民主、公明ともに了としなかった。 

 

 古川氏はこの日の会見で、所得制限が設けられたことを「あり得ない」と指摘。一方、榛葉氏は「昨日、自民党から出てきた案は、話にならないね」と述べた上で、公明党の西田実仁幹事長から電話があり「我々は与党ですが、これは飲めない」という話があったと主張した。 

 

 榛葉氏は昨年12月、自民、公明との3党幹事長会談で「178万円を目指して来年から引き上げる」ことで合意していることや、文書も存在することに触れ「幹事長合意はそんなものではない。これでいいとするなら、あまりにも幹事長合意をばかにしている」と憤りをみせた。「最初に出てきた球が、あまりにもしょぼい。国民も、失望を通り越して怒りを感じているのではないか。103万円の壁を取り外そうとしているのに、(所得制限で)新しい壁をつくってどうする。壁をなくそうと言っているのに、新しい壁をつくっている」と、自民党案を批判した。 

 

 自民、公明、国民民主の3党は19日午後、再び3党協議を行う。国民民主はこの場で、「自民党案」への党としての見解を伝えるが、今後の調整は難航が予想される。 

 

 

 
 

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