( 267921 ) 2025/02/20 15:22:25 0 00 石破茂首相
トランプ米大統領との首脳会談を終えた石破茂首相は笑顔で帰国。が、自民党内では“ポスト石破”に向けた動きが加速している。
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「派閥の領袖クラスや大物議員の間で“勉強会”の開催がはやっているんです」
と苦笑いするのは政治部デスク。今年度予算が成立後の4月には“石破おろし”が本格化する見込みで、
「最初に犬笛を吹いたのは“反石破”の筆頭格である麻生太郎党最高顧問でした。先月22日、派閥横断型『麻生塾』の初会合を都内の日本料理店で開催すると、麻生派に加え、旧安倍派や旧二階派に所属していた中堅・若手が出席。次期総裁選に向けた仲間集めです」
これに麻生氏の盟友・茂木敏充前幹事長が呼応した。
「1週間後の29日、茂木氏が国会内でトランプ政権への対応などを議論する勉強会を開きました。旧安倍派の萩生田光一元政調会長ら、およそ60人の国会議員が参加。こちらも反石破勢力の結集を図っています」
自民党関係者が引き取る。
「保守系議員らも、本気で石破さんを引きずりおろすつもりだ。先月30日、小林鷹之元経済安全保障相は、主宰する勉強会で“(戦後80年談話を)出す必要はまったくない。(中韓に謝罪を続けないとした安倍晋三元首相の)70年談話がすべてだ”と明言。リベラル色の濃い石破首相が、談話を検討していることに懸念を表明してみせました」
後輩に負けじと“日本版鉄の女”も続いた。
「わずか5日後、高市早苗前経済安全保障相は今月4、5日の2日にわたり、仲間の議員らと相次いで会合を持った。狙いは、改めて選択的夫婦別姓制度への反対を訴えることでしたね」
小林氏はかねて麻生氏と気脈を通じてきた。他方、高市氏は前回の総裁選における決選投票の際、麻生氏の支持を受けた間柄だ。
「保守政治家を標榜しながら女系天皇にも理解を示す石破氏を、強くけん制する意図でしょう。同時に、岩盤保守層に自身の主張が正しいとのアピールもできる」
このタイミングで反主流派がうごめき始めた理由は何か。
「首相の信任が厚い森山裕幹事長に権力が集中し“自分は蚊帳の外”と感じる議員が増えているのは事実」
とは自民党ベテラン議員。
「森山さんは、年収の壁の引き上げや教育無償化を掲げる国民民主党、日本維新の会に譲歩を繰り返すばかり。いまや反主流派は“手柄は野党ばかり。これじゃ夏の参院選は戦えない”と不満を募らせている」
石破氏は自民党派閥の裏金問題の真相究明に前向きの上、森友学園に関する文書の開示判決を受け入れるなど“安倍政治”との決別を進めていると伝わる。
「麻生派や旧安倍派は、安倍さんに批判的だった石破さんを目の敵にしてきた。その石破さんからの報復を恐れて“早く辞めさせろ”と焦っているんだよ」
“おろし”の動きが熱を帯びる一方で、党内中間派はあくまで冷ややかだ。
「誰が首相になっても参院選は厳しい。石破首相の国会答弁は丁寧で分かりやすいし、独自色も出てきた。いまは党内でもめてる場合じゃないよ」(中堅議員)
またもコップの中の嵐。
「週刊新潮」2025年2月20日号 掲載
新潮社
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