( 267981 )  2025/02/20 16:33:26  
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日テレNEWS NNN 

 

政府は3月半ば、備蓄米を業者に引き渡します。コメの取引価格が5か月連続で過去最高を更新する中、備蓄米の放出によって価格は下がるのでしょうか? 農林水産大臣は「流通が動き出した」との見方を示しましたが、専門家に今後の見通しを聞きました。 

 

そこで今回の 

 

、「コメの価格いつから下がる?」をテーマに解説します。 

 

日テレNEWS NNN 

 

加納美也子・日本テレビ解説委員 

「コメが卸売業者などに販売される際の価格が、5か月連続で過去最高を更新しましたが、コメの価格はいつから下がったと実感できるようになるのでしょうか?」 

 

「まず、放出される備蓄米は去年と一昨年に生産された21万トンで、そのうち15万トンを3月半ばには業者へ引き渡します。これによって、3月末~4月に店頭に並ぶ見通しです」 

 

「それでも流通が正常化しない場合、農林水産省は追加放出も辞さない構えで、今回の措置でコメ価格の高止まりが抑制されるかどうかが焦点です」 

 

鈴江奈々アナウンサー 

「備蓄米放出のニュースが連日のように伝えられています。それでも最近、お米の価格が下がったなという実感はあまりないんですけど、どうですか?」 

 

桐谷美玲キャスター 

「あまりありません。親とも『高いけど毎日食べるものだから買うしかないよね』という話をよくしていますね」 

 

日テレNEWS NNN 

 

加納解説委員 

「そうですよね。こうした備蓄米放出の動きを受けて、市場はどうなっているのでしょうか。江藤農水大臣は18日、『流通市場は動き出したと受け止めていいのでは』と発言しました」 

 

「コメの流通が動き出したというのはなぜなのでしょうか。江藤大臣によると、すでに卸売業者から東京の大手スーパーに、『お米がありますけど買いませんか』という申し出がかなりの数出てきたという報告もあるといいます」 

 

「もっと高くなるタイミングを狙って売り渋っていた業者が、備蓄米放出を受けて動き出している可能性もあります」 

 

「また江藤大臣は、『(コメの)先物の市場を見ても今までにない数が取引されている』と述べました。例えば、店頭に並ぶ頃の4月の取引では、備蓄米放出の決定をきっかけに取引が活発化しているということです」 

 

「一方で市場関係者は『備蓄米放出決定の影響というには規模が小さすぎる』として、取引の動きとの相関関係は現時点でわからないとしています」 

 

森圭介アナウンサー 

「とは言え、コメが高くなった理由の1つとして、21万トンのコメが消えたと言われているわけじゃないですか。それと同じくらいの量の備蓄米が放出されるわけですから、需要と供給の関係からすれば、安くなるんじゃないかなと期待はしたいところですよね」 

 

 

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加納解説委員 

「では、本当にコメは動き出したのかどうか。コメの生産や流通に詳しい宇都宮大学の小川真如助教に聞きました」 

 

小川助教 

「21万トンという備蓄米放出の量はサプライズで、コメの流通は動き出していると思う。ただし業者の間の取引はまだ様子見している状態で、これまで売り渋りをしてきた業者は今、“持ち続けるリスク”を感じているのではないか」 

 

加納解説委員 

「このように、いろんな意見があります」 

 

日テレNEWS NNN 

 

刈川くるみキャスター 

「となると、備蓄米の放出に加えて、業者がこれからどういう判断をするかによっても私たちが買う値段も変わってきそうですね」 

 

加納解説委員 

「スーパーではいつ、実際に価格が下がっていくのか気になりますよね」 

 

「農水省が毎週発表している、全国のスーパーのコメの平均価格で現状を見ていきます。18日の発表では、2月3日から1週間の平均価格は5kgあたり3829円と、去年の同じ時期(2018円)と比べて2倍近く上がっていて、ずっと価格上昇が続いている状態です」 

 

日テレNEWS NNN 

 

桐谷キャスター 

「ここまで価格が上がっている状態が続いていると、コメ離れも心配です。流通が動き出したということで、これから価格は下がっていくんですか?」 

 

加納解説委員 

「専門家の間でもいろんな意見があります」 

 

「日本総合研究所の三輪泰史チーフスペシャリストは、3月中旬に備蓄米が流れ始めると3月下旬~4月上旬にはスーパーで『ちょっとお米が安くなったかも』と実感できて、そこから急ピッチで価格が下がるのではないかと分析しています」 

 

「そして5月~6月には、理想としては5kgあたり3000円程度。下がりきらない場合は3400円ぐらいで落ち着くのではないかとみています」 

 

森アナウンサー 

「落ち着いてしまうんですか? 去年の今の時期が5kgで2000円ぐらいだったじゃないですか。3000円ちょっとで落ち着くと、それでも1.5倍くらいになっちゃうということですよね?」 

 

加納解説委員 

「今よりも少なくとも500円ぐらい価格が下がるとみています。まだまだ十分とは言えないかなと思いますよね。この金額の間で、農家や流通業者などコメを持っている人は今、どうするか風を読み合っているんですね」 

 

「というのも農家も流通業者も、今のコメの価格は高すぎて、下げないとコメ離れが進んでしまうという思いがある。しかしコストが高くなる中で価格が急激に下がりすぎては困る。さらに流通業者は利益を増やしたい…。こういったせめぎ合いなんです」 

 

森アナウンサー 

「利益を取りたいのはわかりますが、我々としては安く食べたい。この(両者の)思惑というのがどこに落ち着くかということなんですね」 

 

 

日テレNEWS NNN 

 

加納解説委員 

「小川助教によると、スーパーでは一律に価格が安くなるとは限らないそうです」 

 

「政府が放出する備蓄米は品種や産地がバラバラになることが予想されるため、『ブレンド米でもいい』とこだわりのない人は安く感じますが、産地やブランドを決めている人は価格低下を感じにくいかもしれないということです」 

 

「またスーパーに並ぶよりも先に、まずは外食などの業務用に回りやすいとみられます。そのため外食では、『ごはんのおかわり無料復活』などや、売り渋りをしていた業者がネットで売ることなどで安くなったことを実感できる可能性はあるとみています」 

 

鈴江アナウンサー 

「お米は私たちの日常を支えてくれる大事なものなので、これまでに見られなかったような過剰な投機的な動きが落ち着いてくれたらいいなと思います。投機目的で所有している人たちがどのタイミングで動くのかも気になりますね」 

 

加納解説委員 

「そういった業者もなるべく高く売りたいですから、備蓄米が放出されると早めに市場に出すのではないかとみられています。保管するにもお金がかかりますから」 

 

森アナウンサー 

「投機目的で買われた業者がもし仮にいたとして、コメの専門家ではない人たちなので、保管状況がどういう状態になっていて流通でどういう状態で我々の手に届くのかというのもちょっと不安はありますよね」 

 

加納解説委員 

「コメの価格が高い状態は、あと1か月ほど続く見込みです。色々な情報が出ていますが、状況は刻一刻と変わっています。今後も冷静に見極めていきたいものです」 

 

(2025年2月19日午後4時半ごろ放送 news every.「 

 

」より) 

 

【みんなのギモン】 

 

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