( 267994 ) 2025/02/20 16:50:34 1 00 日本全国でガソリンスタンドの数が減少し、セルフ式のガソリンスタンドのシェアが拡大しています。 |
( 267996 ) 2025/02/20 16:50:34 0 00 日本全国でガソリンスタンドの数が減少し、セルフ式のガソリンスタンドのシェアが少しずつ拡大しています。そうなると必然的にクルマのドライバー自ら給油する機会が増えます。
しかし給油中、「ガコッ」という音とともに、オートストップ機能が作動して給油が止まってしまいますが、その後満タンになるまで「継ぎ足し給油」するのは、実はれっきとしたNG行為だといいます。どういうことなのでしょうか。
「あれ、なんで止まるんだろう…?」それ、危険だからです(画像:PIXTA/イメージです)
セルフ式のガソリンスタンドだと、ユーザー自身が給油する燃料や量を選択し、自ら給油を行います。
そこで、多くの人は何気なくノズルを手に取り、レバーを引いて給油しますが、このとき実は作業の様子をカメラで監視されています。
これは燃料が「危険物」であることに由来しており、しっかり「危険物取扱者」の資格を持った人が一般の人に対して給油の許可を行っているのです。
つまり裏を返せば、不適切な行動を取れば「それはいけません!」と指導を受けることもあるのです。
そのひとつが、オートストップ機能が作動したあとの「継ぎ足し給油」です。
「せっかく給油するのだから、まだ全然入りそうだし、タンクのすりきりいっぱいまで入れてしまおう」という気持ち、ものすごく理解できるのですが、なぜNG行為なのでしょうか。その理由を首都圏にあるガソリンスタンドA店のスタッフに聞いてみました。
「給油時にオートストップ機能が作動するということは、ガソリンタンクの中が燃料で満たされたことを意味します。
もちろん少し余裕を持たせているため、満タン給油を選択したとしてもタンクの中身が完全に燃料で満たされたわけではありません。そこで継ぎ足しをすると、数リッターくらいであれば給油できてしまうのも事実です。
あと少し、あと少し…と継ぎ足し給油を繰り返すうちに、燃料がガソリンタンクからあふれ出る危険性があります。
万一、こぼれた燃料が何らかの理由で引火したら、それこそ大惨事となってしまいます。お気持ちは分かりますが、オートストップ機能が作動した時点で給油はストップしてください」
この継ぎ足し給油の行為については、総務省消防庁でも絶対にしないよう呼びかけているほか、ガソリンスタンドの店頭でもオートストップ機能が作動したらそれ以上は給油しないよう注意喚起がおこなわれており、スタッフがマイクで警告することもあるようです。
実は継ぎ足し給油のほかにも、電子機器の使用も禁止されています。別のガソリンスタンドB店のスタッフからこんなエピソードもありました。
「ときどき、電話しながら給油するお客様がいらっしゃいます。仕事に関する通話など、途中で止めるに止められない事情があるのでしょうが、やめていただきたいです」
スマートフォンや携帯電話などが原因でガソリンに引火する可能性は低く、消防庁による実験でも確認されています。
ただしスマホに集中してしまうと、ガソリンが吹きこぼれたり、危険な状態になっても気づかない恐れがあります。「ながらスマホ」をせず、給油作業に集中しましょう。
このほか、当然といえば当然ですが、ガソリンスタンド内は火気厳禁。特にガソリンは非常に気化しやすく、ライターの火はもちろん、くわえタバコや静電気などのわずかな火種が原因となって発火することは十分に考えられます。
給油はキケンな行為です!その認識をお忘れなく(画像:写真AC/イメージです)
エンジンをかけたままの給油も厳禁です。なんらかの要因によりクルマが誤発進してしまうリスクがあるほか、排気口から引火する危険があるためです。
これは「危険物の規制に関する政令第 27 条第 6 項第 1 号ロ」により、「自動車等に給油するときは、自動車等の原動機を停止させること。」と、法令で定められた義務となっています。
さらに、作業の不注意による事故もあったようです。先出のガソリンスタンドB店のスタッフはこのように話します。
「別の店舗ですが、以前、給油している状態で転倒し、周囲に燃料をまき散らしてしまう事故がありました。
乗ってきたクルマにも燃料が掛かってしまっただけでなく、オーナー様のズボンや足元もガソリンがベットリついてしまいました。クルマはその場で洗車したのはいうまでもありません。
オーナー様は着替えがないということで、急遽、倉庫にあった作業用のツナギをお貸しして着替えてもらいました。
たまたまその程度で済んだからよかったものの、他のお客様やクルマに燃料が掛かってしまったら裁判沙汰になった可能性もあります。とにかく無理な給油は行わず、作業に集中してください」(先出のガソリンスタンドB店スタッフ)
禁止されている行為をしないのは当然のこと、燃料は大事故に至る危険な物質です。その認識がないまま、給油をすると自分自身がケガをするだけでなく、愛車を傷つけ、さらにはほかの人や物にまで損害を与えることがあるのです。
「お客様が思っている以上に『大事故と紙一重』であることを認識していただきたいです」(先出のガソリンスタンドB店スタッフ)
何気なく行うセルフの給油ですが、今一度十分に注意したほうがよいでしょう。
松村透
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