( 268011 )  2025/02/20 17:10:25  
00

(※写真はイメージです/PIXTA) 

 

コメの高騰は、特に子育て中のサラリーマン世帯の家計を直撃。給与は上がらないのに、食費ばかり増えていく。このままでは本当に家計が破綻するのでは……そんな不安で押しつぶされそうになっています。 

 

17日の衆議院予算委員会。「高騰する米の値段が高すぎると思わないか」と問われ、 「高いですね。倍とはいいませんが、5割は上がったという実感は持っている。消費者の方々にとって、極めて深刻かつ重大な問題だという意識は共有している」と語った石破首相。「よかった。石破さんはきちんとわかっている」と感じたのなら、最近、スーパーで買い物をしていない証拠。いま、コメ価格はとんでもないことになっています。 

 

総務省『小売物価統計調査』によると、2024年1月、東京都区部のコメ5キロの価格は4,051円。これは1年前の177%にあたります。ほぼ2倍も値上がりしているわけです。もちろん地域によって値上げ幅には差があり、地域によっては石破首相が語ったとおり、5割アップの地域も。しかし実感値としては「コメの価格が2倍になっている」という人が多く、「結局、庶民の感覚がわかっていない」という声が多数聞かれました。 

 

【コメの「東京都区部小売価格」の推移】 

 

2024年1月…2,283円 

 

2024年3月…2,306円 

 

2024年5月…2,403円 

 

2024年7月…2,602円 

 

2024年9月…3,152円 

 

2024年11月…3,843円 

 

2025年1月…4,051円 

 

※出所:総務省統計局『小売物価統計調査』 

 

※数値は、国内産/精米/単一原料米(産地/品種及び産年が同一のもの/袋入り5kg入り/コシヒカリを除く 

 

石田大輔さん(仮名・45歳)も「コメが高い!」と憤りを感じるひとり。石田家には高校生の長男、中学生の次男・三男と、育ち盛りの息子が3人。そこで跳ね上がっているのが食費です。 

 

――うちの炊飯器は5合炊きなんですが、毎日2回、フル稼働。それでご飯はいつもギリギリです。毎日10合……1升ですよ、1升。育ちざかりは本当に恐ろしい……「頼む、おかわりは勘弁してくれ!」と心のなかで叫んでいます 

 

 

総務省『家計調査 家計収支編』によると、石田家と同じ5人の勤労世帯の1ヵ月の消費支出は、2024年12月調査で40万4,435円。そのうち食費は12万7,145円です。対し、2023年12月の消費支出は36万8,527円、食費は11万0,777円。支出は全体で9.7%増、食費に限ると14.8%増となっています。なかでもコメの支出は大きく増え、1年で82.5%増。「おかわりは勘弁!」と悲鳴をあげるのもうなずけます。 

 

石田さんの給与は、月収で42万円、賞与も含めた年収が700万円ほど。この1年で月1万円ほど昇給しました。上昇幅は2%ほど。それに対し、支出は10%以上増えています。物価高の影響は甚大です。 

 

――賃上げのニュースも聞くけど、うちみたいな中小企業はまだ先かな。景気のいい話は聞こえてこないから 

 

厚生労働省『毎月勤労統計調査 令和6年12月分結果速報』によると、一般労働者の現金給与総額は83万8,606円で、前年比4.9%。そのうち所定内給与は33万6,077円で前年比2.6%増、特別に支払われた給与は47万4,508円で、前年比6.6%増。冬の賞与が給与アップに貢献しました。 

 

一方で実質賃金は企業規模30人以上で4ヵ月連続、5人以上企業で2ヵ月連続のプラスを記録しました。大企業を中心にベースアップを実現し、その効果が表れ始めたと専門家。新卒初任給30万円超えなどと景気のいい話が聞こえてきますが、中小企業にまでは波及しているかといえば不十分。まだまだ時間を要するといわれています。 

 

――このまま給与は大した上がらず、でもコメの値上がりが続いたら……本当に育ち盛りの息子たちに潰されかねませんよ 

 

家計が潰れるのが先か、それとも給与アップ、またはコメの値下げが先か。育ち盛りの子がいるファミリー層、想像以上に深刻な状況です。 

 

[参考資料] 

 

総務省統計局『小売物価統計調査』  

 

総務省『家計調査 家計収支編』  

 

厚生労働省『毎月勤労統計調査 令和6年12月分結果速報』 

 

 

 
 

IMAGE