( 269461 )  2025/02/24 15:46:14  
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記者会見に臨む日本維新の会の岩谷良平幹事長(左)と兵庫維新の会の金子道仁代表=23日、神戸市中央区 

 

兵庫県知事の疑惑告発文書に絡み、日本維新の会の県議が政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首に告発者に関する情報などを漏洩(ろうえい)した問題は、知事選での「2馬力選挙」に加担する形となり内外で厳しい批判が噴出している。維新は新体制でガバナンス(統治)のあり方を見直そうとした矢先に新たな問題に直面。県議団の解体論まで飛び出し、党勢回復を期す参院選への影響も懸念されている。 

 

「コンプライアンスへの意識が欠如していたと言わざるを得ない」。維新の岩谷良平幹事長は23日に神戸市内で開いた会見で、党のガバナンスを問われ、厳しい表情でこう答えた。 

 

昨年の県知事選では、維新参院議員が県議団の要請を受け離党してくら替え出馬したが、対立候補である斎藤元彦氏の当選を目的に立候補した立花氏が、告発者に関する根拠のない内容を含んだ情報を交流サイト(SNS)などで発信。結果として斎藤氏は再選した。 

 

立花氏への情報漏洩が「2馬力選挙」に加担した形で、岩谷氏は「日本維新の会として重く受け止めている」として第三者委員会を立ち上げ、県組織「兵庫維新の会」のガバナンスの問題点を洗い出すことを表明した。 

 

しかし、会見に先立つ情報漏洩問題を議論する会議では、厳しい意見が交わされ維新内部からも批判が噴出。県外の維新関係者は「県議団は組織の体をなしていない。運営を日本維新の直轄にすべきでは」と指摘する。 

 

問題を受け、吉村洋文代表も「ルール違反。あってはならない」と批判し、維新創設者の橋下徹氏は今月19日、SNSで県議団を「こんなルール違反集団はもう解散したらどうや」と指弾している。 

 

岩谷氏は県議の処分について、兵庫維新で決めるとしながらも「常識的な判断として、何の処分もないことはありえない」と強調した。 

 

吉村氏が党運営や不祥事防止策などを見直そうと有識者による諮問機関「ガバナンス委員会」を党内に設立し、人選を進める最中に出ばなをくじかれた格好で、夏の参院選への影響は必至といえる。岩谷氏は「盤石といわれる兵庫で議席獲得に影響すれば、それは兵庫にとどまらない」と顔をくもらせた。 

 

 

 
 

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