( 269516 )  2025/02/24 16:51:12  
00

 MT車(マニュアルトランスミッション車)に乗っている人が、坂道などで駐車する際にギアを1速やリバースギアに入れるのを見たことがある人も多いでしょう。 

 

 AT車しか乗ったことがない人からすると、「エンジンを切っているのにギアを入れる意味はあるのか」と疑問に思うかもしれません。 

 

 この行為にはどのような意味があるのでしょうか。 

 

MT車の「謎の儀式」とは 

 

 MT車のドライバーにとっては、この行動は重要な安全対策のひとつです。 

 

 では、なぜクルマを動かさないのにギアを入れておくのでしょうか。 

 

 その理由は、坂道などでクルマを駐車する場合にサイドブレーキだけでは十分な制動力を得られない場合があるからです。 

 

 サイドブレーキは、ワイヤーを引っ張ることでブレーキをかける仕組みになっています。 

 

 しかし、急な坂道などに駐車する場合など、サイドブレーキの制動力だけでは心許ないケースもあります。 

 

 そこで、サイドブレーキの補助として活用されるのが1速、あるいはリバースギアです。 

 

 MT車は、ギアが入っている状態ではタイヤとエンジンが接続されており、クルマを動かすのに大きな力が必要になります。 

 

 つまり、ギアを入れておくことで、車輪が勝手に回るのを防ぐことができるのです。 

 

 これが、MT車のドライバーが駐車時に「ギアを入れる儀式」を行う理由です。 

 

 また坂道以外の平坦な道でも「念の為」として1速やリバースに入れる人もいます。 

 

 一方で冬場など極端に外気が低い場合ではワイヤーが凍結する可能性もあり、「ギアを入れない」という人も。 

 

 駐車時にギアを入れる際には1速またはリバースギアのどちらかを選びますが、基本的にはどちらに入れるかはドライバーの判断によります。 

 

 しかし、シーンによってはどちらかを選ぶべきか決まっていることもあります。 

 

 MT車の免許を教習所で取った人の場合、上り坂に駐車する場合は1速に入れるように習ったはずです。 

 

 反対に下り坂の場合は、リバースギアに入れるようにと教えられます。 

 

 また自動車メーカーのマニュアルにも同様の注意が記載されています。 

 

MTを駐車する時「1速」「リバース」どっちにいれる? 

 

※ ※ ※ 

 

 なお、ひと昔前ではクラッチを踏まずにエンジンをスタートすることができたため、1速やリバースギアに入れたままエンジンを始動し、クルマが突然動き出してしまったというトラブルも多々あったようです。 

 

 今ではクラッチを踏んでいないとエンジンスタートができなくなり、安全性が確保されています。 

 

Peacock Blue K.K. 

 

 

 
 

IMAGE