( 269766 )  2025/02/25 05:37:51  
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 7回、モロニー(右)を攻める那須川天心 

 

 「ボクシング・10回戦」(24日、有明アリーナ) 

 

 WBOアジアパシフィック・バンタム級王者の那須川天心(26)=帝拳=が、前WBO世界バンタム級王者ジェーソン・モロニー(34)=オーストラリア=と対戦。10回、壮絶な打ち合いの末に3-0(97-93、98-92、97-93)で判定勝ちした。 

 

 1回、前王者の圧力に劣勢となった天心。強烈な右ストレートを被弾する場面もあり、場内がどよめいた。4回、那須川の右カウンターフックがヒット。変化をつけながら、武器のスピードで対抗した。 

 

 だが、6回、モロニーの右で天心がバランスを崩し、あわやダウン。両膝が曲がりながら、ぎりぎりのところで尻もちを回避した。相手の攻勢に「ホー!」と絶叫する天心は、ここに打ってこいと頭をさして挑発。厳しい戦いとなったが、左ボディーを連打するなど打ち合いに応戦した。 

 

 7回から鼻血を出した天心だったが、アッパーをヒットさせるなど一歩も引かず。インターバルでは拳を突き上げ、余裕も漂わせた。最終10回はモロニーがラッシュを仕掛けたが、天心も反撃。ボディーとフックを打ち分け、最後まで戦い抜いた。 

 

 試合後、天心は充実の表情。「いやー、本当に予想どおりモロニー選手めちゃくちゃ強くて。初めて効かされたって感じで、いい経験させてもらった。打ち合いとかしたことなくて、初めて打ち合いしてちょっと一人前というか、男になれたかなと思います」と振り返った。 

 

 前王者にリスペクトを持って打ち合った。前日はフェースオフで約12秒のにらみ合い。天心から手を差し出して握手を交わし、モロニーが去ると、その場で深々と一礼した。「自分の可能性を全部見つけるというか、超えられるのか、超えられないのか。はたまた飛び越えちゃうのか。本当に明日が楽しみ」と意気込みを語っていた。 

 

 戦績は試合前の時点で天心が5勝(2KO)、モロニーが27勝(19KO)3敗。実績で上回る相手に「KOも狙いたいが、こだわりを持ってしまうと硬くなる。流れの中で戦って、倒せる瞬間があれば倒す感じで、そこは意識せず、いつも通り格闘技をすればいい」と冷静に戦うことを誓っていた。 

 

 キックボクサーとして頂点を極めた後、23年にプロボクサー転向。無傷の6連勝で、頂点にまた一歩近づいた。リング上にWBO世界バンタム級王者の武居由樹が上がってくると、「武居選手とはいろんな因縁というか、アマチュアの頃から試合して、キックの時にはチャンピオン。今は挑戦する立場。いつかどこかで戦いましょう。ボクシングルールで」と、先を見据えた。 

 

 

 
 

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