( 270436 )  2025/02/27 03:56:26  
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刑事告発を受けている斎藤知事 ©時事通信社 

 

〈《兵庫県知事選》斎藤元彦&PR会社“公選法違反"強制捜査のワケ「メルチュ側が要請に十分に応じず…」〈SNS解析記録を入手〉〉 から続く 

 

 2023年に実施されたプロ野球阪神・オリックス優勝パレードの経費不正疑惑に関して、兵庫県の斎藤元彦知事(47)らが背任の容疑で刑事告発を受けているなか、但陽(たんよう)信用金庫(加古川市)が「 週刊文春 」の取材に対し、寄付を行った経緯について回答した。 

 

 斎藤氏が再選を果たした昨年11月の兵庫県知事選を巡っては、兵庫維新の会の県議3人が「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首(57)に、真偽不明の文書や、非公開とされた百条委員会の音声を提供するなどした問題が発覚し、物議を醸している。県議3人は2月23日に記者会見を開き、立花氏への情報提供に関与したことなどを謝罪した。 

 

「斎藤氏は、神戸地検と兵庫県警に、知事選でPR会社『メルチュ』の折田楓社長(33)にSNSの運用などで報酬を支払ったとして、公職選挙法違反の疑いで刑事告発されました。2月7日には折田氏の関係先に家宅捜索が入るなど、捜査は佳境を迎えていると見られます」(社会部記者) 

 

 さらに、斎藤氏は2023年11月23日実施の優勝パレードを巡っても、背任の疑いで兵庫県警に刑事告発されている。 

 

「斎藤氏は優勝パレードを、公金ゼロで実施すると宣言していました。ところが、寄付金の集まりが悪かった。そこで、信用金庫11社から計2000万円の協賛を受ける見返りに、補助金を当初の1億円から4億円に急増させた疑いが浮上。背後では、片山安孝副知事(当時)が動いていたとされます」(同前) 

 

 片山氏の依頼を受け、県内の信用金庫の取りまとめ役を担っていたのが、但陽信用金庫だ。 

 

「片山氏と但陽信用金庫の桑田純一郎理事長はかねてから付き合いがあった。同金庫はパレードに計300万円の協賛を行ったほか、桑田氏が県内の各信用金庫にも連絡を取り、寄付を依頼していたといいます」(地元関係者) 

 

 但陽信用金庫に協賛の経緯などについて尋ねたところ、以下のように回答した。 

 

 

「令和5年11月21日に、片山元副知事が本店に来訪され『優勝記念パレードを開催するのに資金が不足しており、寄付をお願いしたい』との依頼がありました。同時に、『パレードの日にちが、2日後の23日に迫る中、本来ならそれぞれの金庫にお願いに上がるべきであるが、時間的な関係から、桑田理事長から県下信金に今回の県から依頼があったことの案内と協賛のお願いを頂けないか』との依頼もありました。それを受け、令和5年11月22日に各信用金庫の理事長方に、県からの協賛依頼について連絡を行いました。 

 

 協賛金の申し込みをした経緯は、令和5年(2023年)11月17日、兵庫・大阪連携『阪神タイガース、オリックス・バファローズ優勝記念パレード〜2025年大阪・関西万博500日前!〜実行委員会(事務局:兵庫県県民生活部総務課)』から、『阪神タイガース、オリックス・バファローズ優勝パレードの開催にかかるご寄付・ご協賛について』という依頼文書が添付されたメールが当金庫宛てに届き、当金庫は、同日中に、50万円の協賛申込みをいたしました。 

 

 その後の同月21日、上記の通り、片山元副知事が当金庫本店を来訪され、パレードの資金が不足しているとのことで、あらためて協賛の依頼がありました。当金庫内にてあらためて検討し、同月22日に追加で250万円の協賛をすることで内諾し、同月28日に追加で250万円の協賛申込みをし、合計300万円の協賛をするに至った次第です」 

 

 但陽信用金庫の回答からは寄付金集めに片山氏が深く関わっていたことが窺えるが、パレードに関する疑惑はそれだけではなかった――。 

 

 2月26日(水)12時配信の「 週刊文春 電子版 」ならびに、2月27日(木)発売の「週刊文春」では、斎藤氏に関する連載「冷血の知事(2)」を掲載。今回は、斎藤県政の“最暗部”とされるパレード疑惑について、証拠公文書や当事者への直接取材などから詳報している。また、「週刊文春 電子版」では、証拠公文書などを誌面より詳しく公開している。 

 

「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年3月6日号 

 

 

 
 

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