( 270491 ) 2025/02/27 04:59:53 0 00 2025年3月24日から、マイナンバーカードと運転免許証が一体化した「マイナ免許証」の運用が開始されます。
では、運転免許の保有者には一体どのような影響があるのでしょうか。
マイナ免許証の「再発行」や「交通違反の取り締まり」はどうなる?
3月24日から、マイナンバーカードと運転免許証を一体化した「マイナ免許証」の運用が全国で開始されます。
ここでいう一体化とは、マイナンバーカードのICチップに免許証番号や免許の有効期間、免許の種類などの運転免許情報を搭載し、1枚に集約することをいいます。
マイナ免許証の保有には複数のメリットがあり、まずその一つとして住所・氏名の変更手続きをワンストップ化できるという点が挙げられます。
これまで引っ越しや結婚などで住所・氏名変更をする場合、マイナンバーカードは市町村役場で、運転免許証は警察でそれぞれ手続きをする必要がありましたが、マイナ免許証のみを持つ場合は市町村役場ですべての手続きが完了します。
特に都道府県をまたぐ転勤が多い人にとっては、利便性が向上するといえるでしょう。
次に、免許更新時の講習をオンラインで受講できるという利点もあります。
運転免許証の区分が『優良運転者』または『一般運転者』に該当する人であれば、パソコンやスマートフォンなどを使って講習を好きな場所・好きな時間にオンラインで受講できます。
あくまでオンライン化するのは講習の部分のみであり、視力検査や免許情報の書き換えなどは警察でおこなわなければいけないものの、小さな子どもを持つ人からは「免許更新が楽になりそう」と期待する声が寄せられています。
さらにマイナ免許証を持っていると、住所地以外での免許更新を迅速におこなうことができます。
実はこれまで、住所地以外で免許更新ができるのは優良運転者に限られていたほか、免許更新期間も通常より1か月短い状況でした。
しかし今後は、優良運転者だけでなく一般運転者もその対象に加わり、免許更新期間についても通常と同じ「誕生日の前後1か月」となります。
これにより、仕事や家庭などの都合で運転免許証の住所地以外に住んでいる人の手続きが容易になると見込まれています。
上記のようなメリットのあるマイナ免許証ですが、その運用をめぐっては「必ずマイナ免許証を持たなければいけないのか」、「従来の運転免許証は使えるの?」といった心配の声が上がっています。
マイナ免許証を持つかどうかはあくまで免許保有者の任意であり、今後は以下の3つの持ち方が可能となります。
ーーー 1 従来の運転免許証を返納し、マイナ免許証のみを保有する 2 従来の運転免許証とマイナ免許証の両方を保有する(2枚持ち) 3 従来の運転免許証のみを保有する ーーー
1のケースは本人確認書類が1枚にまとまり、管理がしやすくなるものと考えられます。
また2のケースは、仮にどちらかの免許証を紛失した場合でも、車両の運転を続けられるというメリットがあります。
ただし、このたびの法改正によって運転免許証に関する手数料も見直されており、マイナ免許証のみを保有するパターンが最も安くなることから、その点は留意すべきといえるでしょう。
たとえば免許更新時にかかる手数料は、マイナ免許証のみの場合が2100円、従来の運転免許証とマイナ免許証の2枚持ちの場合が2950円、従来の運転免許証のみの場合が2850円となる予定です。
そのほかマイナ免許証に関しては「万が一紛失した場合、再発行にどれくらいの時間がかかるのか」という疑問の声も多く聞かれます。
このようなユーザーの疑問について警察庁の担当者はどのような回答をしているのでしょうか。
ユーザーの間では紛失時やマイナ免許証での取り締まりなどに関する疑問の声があがっています。これについて警察庁の担当者は次のように話しています。
「マイナンバーカードを紛失した場合は、総務省の『特急発行・交付制度』により、原則1週間でマイナンバーカードが再発行されると承知しています。
再交付されたマイナンバーカードに免許情報を記録する場合は、住所地の免許センター等で再交付されたマイナンバーカードを提示し、同カードに免許情報の記録を即日で受けることにより、マイナ免許証を引き続き保有できます。
また、免許センター等において、従来の免許証の再交付を即日で受けることも可能です」
マイナ免許証を紛失すると、市町村役場でマイナンバーカードの再交付を受けてから警察でICチップに免許情報を記録するという流れになるため、一定の期間がかかることは知っておいたほうが良いでしょう。
なおマイナ免許証自体には免許証の有効期間が印字されませんが、スマートフォンやパソコンに「マイナ免許証読み取りアプリ」をインストールすることで、ICチップに記録された免許情報が確認できるようになります。
このアプリには読み取った情報を従来の運転免許証のデザインで画像保存する機能や、スマートフォン用アプリの場合は有効期間が近づいていることを通知する機能が付いています。
ちなみに運転免許証の読み取りに際しては、マイナ免許証の取得時に本人が選択した数字4桁の暗証番号が必要となるため、アプリを利用する場合は忘れないよう気をつけましょう。
前日となる3月23日は免許関係事務を全国一斉に停止することが予定されているので注意!
また、ユーザーからは「マイナ免許証を持ったドライバーの交通取り締まりをどのようにおこなうのか」との疑問も寄せられていますが、これに関して前出の担当者は次のように説明しています。
「警察官がマイナ免許証の提示を受けたときは、すでに配備されている携帯端末を用いて免許情報を読み取ることとしています。
その際には、免許保有者が暗証番号を失念していたために警察官が免許情報を確認できないといった事態が生じないよう、国民向けのマイナ免許証読み取りアプリで読み取る場合とは異なり、暗証番号の入力は不要とすることを想定しています」
つまり今後、マイナ免許証を持っているドライバーに対しては、警察専用の機器を使った取り締まりが行われることになるようです。
※ ※ ※
まもなく3月24日から「マイナ免許証」の運用が始まります。
これにともない、前日となる3月23日は免許関係事務を全国一斉に停止することが予定されているため、その付近で免許更新をおこなう場合は十分に注意しましょう。
元警察官はる
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