( 270741 ) 2025/02/27 17:48:22 0 00 日テレNEWS NNN
学校給食や宅配などで長く親しまれてきたびん入りの牛乳ですが、販売終了が相次いでいます。明治は「明治牛乳」や「明治コーヒー」などの販売を3月末に終えます。一方で、大塚製薬のオロナミンCはびんを継続し、ラムネのガラスびんは需要が伸びています。
そこで今回の
、「牛乳びん終了も…なぜ?」をテーマに解説します。
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猪子華・日本テレビ社会部記者 「乳業メーカーの明治は25日、一部のびん入りの牛乳の販売を終了することを発表しました。びん牛乳というと給食などでおなじみだと思いますが、乳業メーカーでは今、販売終了が相次いでいます」
「明治が3月末に販売を終了するのは、1928年から約100年にわたって販売を続けていた『明治牛乳』や『明治コーヒー』など4つの商品です」
「また森永乳業は去年、宅配向けの牛乳など7つのびん商品の販売を終了しました。こちらも長い歴史があり、1929年から販売を続けていたそうです」
「小岩井乳業は、一部の商品を2021年に販売終了。これも明治時代から販売を続けていたと言われているそうです。びん入りの牛乳の思い出はありますか?」
桐谷美玲キャスター 「小学校の時の給食がびんの牛乳だったので、ふたを開けるのが大変でした。飛んでしまったりした思い出があります」
森圭介アナウンサー 「上だけめくれちゃって…。懐かしいですね」
猪子記者 「なぜ今、販売を終了するのか。明治は主な理由として、需要が低迷していることや、びんの製造も少なくなって安定的に調達することが難しくなっていることを挙げます」
「森永乳業によると、客のびん返却の手間を減らすことや、びんを洗浄・乾燥するなど再利用には大規模な設備が必要なこと、人件費がかかることへのコストの見直しなどが理由です。小岩井乳業は消費低迷のため販売を終了したということです」
森アナウンサー 「宅配だと宅配網を知っているというメリットは大きいと思いますが、どうしてもそのコストと見合わずにやむなく、ということなんですね」
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猪子記者 「実際に、びん牛乳の生産量はかなり減っています。農林水産省の牛乳乳製品統計調査によると、500ml未満のびん入り牛乳の生産量(毎年10月)は、最新の数字である2023年を見ると10年前の3分の1に減少していて、全体の1.6%しかありません」
「また、小中学校などの給食でびん入りの牛乳が出てくるのは、2023年度の時点で13道県のみとなっています」
桐谷キャスター 「まちなかではあまり見かけませんが、13道県ではびんが残っているんですね」
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猪子記者 「ただ、牛乳以外では『びんがいい』という商品もあります。大塚製薬の『オロナミンCドリンク』です。1965年の発売以降、ほとんど変わらない茶色いびんで販売しています」
森アナウンサー 「昔のびんは、栓抜きがないとダメでしたね。自動販売機に栓抜きがくっついていたりしましたね」
猪子記者 「現時点ではびんの販売を継続するといいます。どうしてかと言うと、この茶色がビタミンを光から守るという品質保持の意味があるんだそうです」
「そして環境の面でも(理由があり)、オロナミンCのびんのほとんどは、各所で回収された使用済みの茶色いびんがリサイクルされて作られています。さらにこのびんに愛着を持つ消費者もいるため、他の素材に変更することは現時点では考えていないそうです」
忽滑谷こころアナウンサー 「この茶色いびんに、そんなたくさん意味や目的が込められていたんだと初めて知りました。びんだからこそ、機能面でもデザイン面でも長く愛されていく商品というのは今後も引き継がれていくんだろうなと思いますね」
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猪子記者 「今、アメリカやヨーロッパなど海外で人気だというのがラムネです。全国ラムネ協会によると、ラムネのガラスびんの生産本数は2012年に約3800万本でしたが、2022年は約1億1400万本とここ10年で約3倍になっています。9割が海外への輸出用だといいます」
鈴江アナウンサー 「海外のシェアはかなり大きいですね」
桐谷キャスター 「なぜ海外で人気なんですか?」
猪子記者 「海外では、ガラスびんは環境に優しいのではないかということで、好まれる傾向があるということです。ただ大きな課題もあります」
「全国ラムネ協会会長で木村飲料の木村英文社長によると、びんやビー玉などが資材不足で、特にビー玉を作るメーカーが国内に2社しかないそうです」
鈴江アナウンサー 「すごく身近なものですが…。たった2社しかないんですか」
森アナウンサー 「貴重に思えてきますね」
猪子記者 「そのために供給が追いつかず、新規の海外案件を断っているケースもあるそうです。資材メーカーへの安定供給を求めていきたい、としています」
「びんならではの良さもありますし、再利用できれば環境にとって良いことですが、そのために必要な光熱費や資材などのコストも踏まえて時代に合った容器のあり方を考えていくことが求められそうです」
(2025年2月26日午後4時半ごろ放送 news every.「
」より)
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