( 271096 )  2025/03/01 05:48:14  
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ビックカメラ 

 

 プライベートブランド(PB)商品の製造を委託する下請け業者への支払代金を不当に減額したとして、公正取引委員会は28日、家電量販店大手「ビックカメラ」(東京都豊島区)の下請け法(下請け代金の減額の禁止)違反を認定し、再発防止を求める勧告をした。不当な減額はPB商品計563品目、総額5億円に上り、ビックカメラはすでに全額を返還したという。 

 

 公取委によると、ビックカメラは遅くとも2023年7月~24年8月、PB商品製造の委託先51社に対し、発注時の契約で交わしていた代金から計5億5746万円を不当に減額したとしている。下請け業者側は公取委の調べに「立場の違いから拒否できなかった」と説明したという。下請け法は下請け業者に責任がないにもかかわらず、発注時に決めた代金を減額する行為を禁じており、仮に下請け業者が減額に合意した場合でも違反となる。 

 

 公取委はビックカメラについて、電池や家電などのPB商品の販売を開始した20年当時から「拡売費」「原価リベート」といった名目で減額をしていたと指摘。一つの商品を4種の名目で減額させたケースもあったほか、「能登半島復興支援協賛」との名目も確認された。ビックカメラは24年1月の能登半島地震で、被災地の仮設住宅に家電を安価に納入する支援をしており「実際は業者側にも負担をさせているのに、支援企業として評価されるのはビックカメラだけだった」(公取委の担当者)という。 

 

 調査の過程では、ビックカメラが家電メーカーの自社商品「ナショナルブランド(NB)」を仕入れる際、メーカー側から正当な理由なくリベートを徴収していたことも判明した。理由も根拠も曖昧なまま、商習慣として長年定着していたとみられる。公取委は独占禁止法が禁じる「優越的地位の乱用」に当たる恐れがあると指摘。ビックカメラはNB商品を巡るリベートの徴収を見直す方針を公取委に示し、メーカー側に約1億円を返金した。 

 

 勧告を受けてビックカメラの広報担当者は「下請け法の認識の欠如に起因するもので大変重く受け止めている。従業員への定期的な研修や取引先へのアンケートなどを通じ、コンプライアンス体制の強化と再発防止に努める」とコメントした。【渡辺暢】 

 

 

 
 

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