( 271416 )  2025/03/02 07:07:15  
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合同会社説明会の開始を待つ就活生たち(1日午前10時48分、千葉市で)=須藤菜々子撮影 

 

 2026年春に卒業予定の大学生らを対象とする企業の採用説明会が1日に解禁された。深刻な人手不足を背景に学生優位の「売り手市場」が続き、すでに内定率は約4割に届く。企業側は初任給の引き上げなど好待遇をアピールし、人材確保を急ぐ。 

 

 就職情報会社マイナビは1日、千葉市の幕張メッセで合同説明会を開き、企業約160社が参加した。会場を訪れた立正大経済学部3年の女子学生(21)は「売り手市場だからこそ、やりがいのある仕事を選びたい」と意気込んでいた。 

 

合同会社説明会で行われたセミナーに参加する就活生たち(1日午前、千葉市で)=須藤菜々子撮影 

 

 マイナビの調査によると、前年より採用が厳しくなるとみる企業は78・1%に上る。人材獲得競争を勝ち抜くため、企業は処遇改善に力を入れている。ソニーグループは、25年4月に入社する大学卒の初任給を14%増の月額31万3000円に引き上げる。東京海上日動火災保険は26年4月入社の大学卒で最大41万円まで引き上げる方針だ。 

 

 リクルートの調査では、2月1日時点の大学生の就職内定率は前年同期比15・4ポイント増の39・3%。政府は経済界に、採用活動を3月1日から、選考を6月1日から始めるよう求めるが、事実上、形骸化している。 

 

 中小のIT企業の採用担当者は「学生の6割は残っていると考えるしかない。来年4月に採用計画が満たせるよう、長丁場の闘いになる」と気を引き締める。 

 

 

 
 

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