( 272136 )  2025/03/05 05:51:05  
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セブン&アイHDの本社(東京都千代田区で) 

 

 セブン&アイ・ホールディングスが、カナダのコンビニエンスストア大手からの買収提案を受け入れず、自力での企業価値向上を目指す方針を固めたことが3日わかった。新たな経営体制で取り組みを進めるため、井阪隆一社長(67)は退任することで最終調整している。後任には社外取締役のスティーブン・ヘイズ・デイカス氏(64)を充てる方向だ。 

 

 デイカス氏は現在、取締役会議長も務めている。近く取締役会を開いて正式に決定する予定で、実現すれば、セブンのトップに外国人が就任するのは初めてとなる。 

 

 セブンは、カナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けている。対抗策として、セブンの創業家が経営陣による自社株買収(MBO)を検討してきたが、先月、資金確保などが難しくなり断念した。 

 

デイカス氏=セブン&アイ提供 

 

 社外取締役でつくる特別委員会は、クシュタールの買収提案を受け入れるか、企業価値向上に取り組むことで買収を受け入れずに単独での経営を維持するかを議論してきたが、単独での経営を維持する方針を決めた。クシュタールと米国で店舗網が重複し、反トラスト法(独占禁止法)に抵触する懸念が払拭(ふっしょく)できないことなどを考慮した模様だ。 

 

 自力での企業価値向上を目指す上では、経営トップの交代が必要との声もある。デイカス氏は、特別委員会のトップとして買収提案を巡る議論をリードしてきた。セブンはデイカス氏を井阪氏の後任とすることで、社内外から理解を得たい考えだ。 

 

 スティーブン・ヘイズ・デイカス氏 11年西友CEO(最高経営責任者)。22年5月、セブン&アイ社外取締役。 

 

 

 
 

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