( 272391 )  2025/03/06 05:12:51  
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インタビューに応じる国民民主党の玉木雄一郎代表=5日午前、国会内(関勝行撮影) 

 

国民民主党の玉木雄一郎代表は5日、国会内で産経新聞のインタビューに応じ、夏の参院選では改選定数2以上の複数区の全てに候補者を擁立する考えを示した。国民民主は全国32の改選1人区にも積極的に候補者を擁立する方針を打ち出しており、玉木氏は「できるだけ受け皿をつくる。候補者を立てなければ全国的なムーブメントは起こせない」と強調した。 

 

また、所得税が発生する「年収103万円の壁」の引き上げを巡り、自民、公明両党と日本維新の会の賛成で衆院を通過した令和7年度税制改正関連法案について、「不十分かつ複雑だ。壁を引き上げようとしたのに、壁がどんどん増やされてしまった」と批判した。 

 

その上で「自民には国民生活を助けるためのベストな予算案は何かという発想がない。頑張って税金を払う人をないがしろにしていたら石破茂政権はひとたまりもない」と自民への対決姿勢を鮮明にした。 

 

インタビューの主な内容は以下の通り。 

 

◇ 

 

――4日に国民民主党の代表に復帰した 

 

「役職停止となり、関係者に迷惑をかけてしまい、申し訳なかった。この3カ月は国内では被災地など24カ所に足を運び、議員外交にも取り組んだ。国民民主の手取りを増やす経済政策や現実的な外交・安全保障政策が必要だと改めて感じた。次に向けた仕込みもできた」 

 

――「年収103万円の壁」の引き上げを巡る与党との協議は事実上、決裂した 

 

「衆院選で訴えた178万円への引き上げが実現できていないことは率直に力不足だった。与党などが令和7年度予算案と同時に衆院を通過させた税制改正関連法案は不十分かつ複雑。壁を引き上げようとしたのに、壁がどんどん増やされてしまった。課税最低額が160万円だと報じられているが、プラス57万円の満額引き上げの対象は全体の5%未満に過ぎない」 

 

「今、『財務省解体デモ』が起きているが、気持ちはわかる。自民党には国民生活を助けるためにベストな予算は何か、という発想がない。税金を頑張って払う人をないがしろにしていたら、石破茂政権はひとたまりもない」 

 

――与党が「所得制限なしで、140万~150万円」の引き上げを提示していたら妥結できたか 

 

 

「与党案の減税規模は1兆2千億円ぐらいになる。それはそれで大きいが、1兆2千億円あれば140万円台までは所得制限なしで引き上げられたはずだ。140万~150万円なら全所得階層に恩恵があるし、その案なら拒否するのは難しかったと思う」 

 

――ガソリン暫定税率の廃止の時期は 

 

「自民、公明、国民民主の幹事長で廃止を決めたが、結局いつになるのか分からないという状況だ。だったら、7年度から廃止にしようと法案を衆院に提出したが、日本維新の会が8年度からということで乗ってくれなかった。本来、野党でまとまれば少なくとも衆院を通すことができ、参院で与党が否決するなら、参院選の争点にして戦うべきだった」 

 

――4日の記者会見で参院選では、非改選(5議席)と合わせて21議席以上の獲得を目指すと表明した。今の党勢を考えると控えめではないか 

 

「(21議席にするには)改選が4議席で4倍とらないといけないので簡単ではない。ただ、昨年の衆院選で比例票が617万票だったので、何とか積み増して8か9議席。選挙区でも7、8議席を取るイメージだ。日本の政治は参院から変わることが多い。1人区は立てられるところはできるだけ立て、改選定数2以上の複数区は全部立てる。立てなければ全国的なムーブメントは起こせない。手取りを増やす夏にしたい」 

 

(聞き手 水内茂幸、永原慎吾) 

 

 

 
 

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