( 273381 ) 2025/03/09 07:23:29 0 00 日銀が「0.5%」の追加利上げを発表! 変動金利で借りてる場合「返済額」はいきなり増えてしまう?「5年ルール・125%ルール」についても解説
住宅を購入するとき、多くの人が住宅ローンを利用して購入資金を用意しています。住宅ローンは大きく分けて、変動金利型と固定金利型の2種類があり、国土交通省の調査によると、2022年度の新規貸出では約78%が変動金利型を選択しています。
人気の変動金利型ですが、利用者にとって気になるのが、金利の動向です。日本銀行は、1月23日・24日に開催した政策決定会合で、短期金利の追加利上げを決めました。それに伴って住宅ローンの基準金利が上がり、返済額が増えるのではないかと不安に感じているかもしれません。
本記事では短期金利の追加利上げによって、住宅ローンの返済額が今後どのように変わるのかについて解説します。
日本銀行は、1月23日・24日に開催した政策決定会合で、短期金利を0.25%程度から0.5%程度に引き上げることを決めました。短期金利は、経済や賃金、物価、海外情勢など、さまざまな要素をふまえて決定されます。
今回の追加利上げを決めた背景には、昨年に続きしっかりとした賃上げを実施するという声が経済界から聞こえてきたことや、物価上昇も徐々に進行していること、海外情勢が全体として落ち着いた状況であったことなどが挙げられます。
なぜ日本銀行が短期金利を引き上げると、変動金利型住宅ローンの基準金利も上昇するといわれているのでしょうか。変動金利型住宅ローンの基準金利は「短期プライムレート」と呼ばれる金利を指標に決定されています。
短期プライムレートは、短期金利に連動しているため、結果的に日銀の決定した短期金利の追加利上げによって、住宅ローンも引き上がることになります。実際に3メガバンクの短期プライムレートの改定はすでに発表されています。具体的には図表1の通りです。
図表1
<図表1>
各銀行のホームページより筆者作成
三菱UFJ銀行からは、短期プライムレートだけではなく、変動金利型住宅ローンの基準金利引き上げもすでに発表されています。
具体的な基準金利は3月末に発表されますが、5月または6月から新しい基準金利が適用される予定です。
変動金利型で、かつ元利均等返済方式の住宅ローンで借り入れしている場合、基準金利が変わってもすぐに返済額が大きく変わるわけではありません。理由は次の2つのルールがあることです。
■5年ルール 変動金利型住宅ローンの基準金利の見直しは、基本的に半年に一度となっています。しかし、元利均等返済方式の場合、返済額の見直しは5年ごとに行うことが一般的です。
■125%ルール 5年が経過して基準金利を見直した結果、返済額が増えることになっても、新しい返済額は旧返済額の125%以内に抑えられます。
ただし、あくまでも月々の返済額が大きく変わらないだけで、基準金利が引き上がった分、総返済額は増えています。その結果、未払いになっている利息部分が発生し、借入時に想定した返済シミュレーションから変わる可能性がありますので注意が必要です。
また、どちらのルールも元金均等返済方式の住宅ローンには適用されないことも覚えておきましょう。
日本銀行が1月23日・24日に開催した政策決定会合にて決定した短期金利の追加利上げによって、変動金利型住宅ローンの基準金利も引き上げが見込まれます。
元利均等返済方式の場合、5年ルールや125%ルールによって、返済額がすぐに大きく変わるということはありませんが、総支払額は上がっており、予定していた返済プランから変わる可能性があります。返済額が増えても余裕をもって返済できるように、日頃の家計管理を心がけましょう。
出典 国土交通省 令和5年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書 日本銀行 2025年1月金融政策決定会合での決定内容 株式会社三菱UFJ銀行 円預金金利及び短期プライムレートの改定について 株式会社みずほ銀行 短期プライムレートの改定について 株式会社三井住友銀行 短期プライムレートの引き上げについて
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部
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