( 274381 )  2025/03/13 05:34:08  
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「なぜ人は電車で行けない位置に運転免許センターを作ってしまうのか」 

  

 そうした話題が、ネット上で大きく盛り上がっています。 

 

画像はイメージ(画像:写真AC)。 

 

発端となった投稿には7万件を超える「いいね」が集まり、コメントでは多数の共感の声が。自分たちのエリアの運転免許センターも遠すぎて不便、といった投稿が集まっています。 

 

 運転免許更新センターまたは免許試験場は、運転免許を更新したり、新規取得する際などに行くこととなります。 

 

 日曜日が閉まっていることが多く、平日の忙しい合間を縫って免許更新に出かける人も多いでしょう。 

 

 そんななか、免許センターはやたらと行きにくい場所にある…というのが、全国的な共感を呼んでいることとなります。 

 

 更新であればクルマで行けばいいですが、新規取得となると「今から免許をもらいに行く」状況なので、公共交通機関(あるいはタクシー)で行くしかないのです。そうなると、駅から遠いのはかなり不便です。 

 

 たとえば東京都の場合だと、府中運転免許試験場は、周辺の鉄道駅から絶妙に離れた場所にあります。JR中央線だと武蔵小金井駅や東小金井駅から徒歩30分。西武多摩川線に乗っても、新小金井駅や多磨駅からやはり30分近く歩くこととなります。京王線からの徒歩到達はもはや非現実的です。結局バスに乗るしかありません。 

 

 ほかにも投稿された意見では「栃木の鹿沼免許センターがこれ!」という声が。宇都宮と鹿沼の中間の「鉄道空白地帯」にポツンとあり、宇都宮駅からバスで30分以上。最寄りである東武日光駅の楡木駅でも、バスで6km以上の道のりを行くしかありません。 

 

 京都府民にとっても免許センターは僻地であり、通称「羽束師(はづかし)免許センター」といわれる試験場はJR京都線・阪急京都線・京阪からいずれも遠い、桂川沿いの鉄道空白地帯にあります。バス移動が必須で、もはや「いかに駅から遠く作るか」を追求した結果のような立地です。 

 

「富山県も最寄り駅から歩いて40分くらいのところだな…」という声も。更新センターは高岡駅前ですが、試験場は旧JRの「東富山駅」から2km離れていて、バスで行くなら富山駅から乗ることになります。 

 

 他にも「青森は遺跡の近くにある」(徒歩約40分)、「岐阜県免許試験場の悪口はそこまでだ」(バスで40分)、「滋賀県〜!!!!」(バスで20分)、「神奈川の二俣川もねぇ…」「静岡はもっと数多くしてほしい」などという意見も。 

 

 逆に駅から近い免許センターとして「高知は恵まれてた」「和歌山だとそれ用の駅がある」「その点群馬はすごい」という声もあります。 

 

 

 ではなぜ運転免許センターは、交通不便な場所にばかり設置されるのでしょうか。 

 

画像はイメージ(画像:写真AC)。 

 

 警察OBはこの背景について「運転免許センターは、建物自体がある程度の規模になってくるだけでなく、技能試験のためのコースを備える必要があります」と話します。 

 

「広大な土地を確保する必要があり、どうしても郊外にならざるを得ないのです」(同OB) 

 

 免許取得者の大多数は、「指定自動車教習所を修了→試験場で学科試験に合格」というプロセスになります。しかし未指定の教習所で教習を受けたり、いわゆる「一発試験」で免許取得する場合は、試験場で学科試験とは別に「技能試験」合格を目指すことになります。 

 

 こうした「試験場で技能試験を受ける」人のために、試験用のコースが用意されているわけです。 

 

 公共施設の中でも有数の広大な施設であり、なるべく予算を抑えるために、地価の低い郊外に土地を確保するという事情も出てきます。 

 

 とはいえ、大多数の免許更新者にとってはそんな事情はお構いなしです。実際不便なものは不便だからです。そこで、施設をよりコンパクトにしてアクセスを便利にした「免許更新センター」も、各地で用意されています。また最寄りの警察署で免許更新を受け付けている場合がありますが「後日郵送」となるデメリットもあります。 

 

 たとえば東京都では、大手町駅北側に「神田運転免許更新センター」が、都庁内に「新宿運転免許更新センター」を設置。鮫洲や東陽町よりもさらに鉄道アクセスが便利な場所となっています。 

 

 先述の栃木県の場合は、残念なことに鹿沼の試験場に行くしかありません。どうしてもそこへ行けない場合は、警察署で手続きをすることとなります。 

 

くるまのニュース編集部 

 

 

 
 

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