( 274941 ) 2025/03/15 06:05:48 0 00 大型トラックは必要以上に車間を詰めてくるというイメージをもっている人がいる
大きな車体をもつ大型トラックは、わたしたちの暮らしを支えるヒーローのような存在であるのは周知の事実である。しかし、そんな大型トラックに並々ならぬ恐怖を覚えたという経験をおもちの人も、多いのではないだろうか。
大型トラックは車体が大きいため、片側二車線道路などで並走するだけでも乗用車のドライバーには十分すぎるほどの威圧感や緊張を与える。ましてや後方から勢いよく迫ってこられた場合には追突されたときのことを考えてしまうため、その恐怖は半端なものではない。
大型トラックのドライバーたちは、基本的に運転マナーのいい人が多い。彼らは名実ともに運転のプロであるため事故を誘発するようなことはせず、道路を横断する歩行者や右折待ちの乗用車に進路を譲るという配慮や、ゆとりのある運転を心がけているのだ。
しかし、なかには心ない運転をする大型トラックが存在するのも事実。大きな車体を転がしていると気もちまで大きくなってしまうのか、我が物顔で周囲の交通を乱すような運転をしている大型トラックも時折目撃する。どんな世界にもいえることであるが、一部の人物がとった行動が業界全体の物差しになるため、プロとしての自覚と誇りをもったうえでハンドルを握ってほしいものである。
乗用車のドライバーのなかには、「大型トラックは車間を詰める」というイメージを抱いている人が多いようだ。たしかに威圧感が凄いため、一度でもそんな経験をした人はそう思いがちになるだろう。そして、そこには大型トラックにおける構造上の理由も存在するのだ。
大型トラックはフロントエンジン+リヤ駆動であるのだが、乗用車のボンネットのようなエンジンスペースを有していない。つまり、運転席の下にエンジンを装備しているため、ドライバーの目線が自ずと高くなる。
そして、ボンネットをもたないキャブオーバータイプであるために、ついつい車間を詰めてしまいがちになるのだ。さらに走行時では前方が開けているため、前走車ではなく2〜3台前のクルマを見て走る傾向にある。そうすることで危険予知能力を高めているのだが、それもまた前走車に対する車間距離不保持につながっていると考えられるだろう。
信号待ちなどの停車時で車間が狭いのは、無理な割り込みを防ぎたいというドライバーの意思表示の現れであったりもする。ドライバーの目線が高い大型トラックにおいては死角が多く、信号待ちなどの停車時で前方にまわり込んできた乗用車に気づけないことが多い。安全確認ができていないといわれてしまえばそれまでであるが、そのような事故の危険性を避けているという面があるのだ。
また、前走車の予期せぬ行動により、車間を詰めざるを得ないケースが多いのも事実。信号の手前で大型トラックの前に割り込んで停車するのは、ある意味自殺行為である。荷物を積んだ大型トラックは乗用車のように止まれないため、追突や荷崩れを避けるために車間を詰めざるを得ないのだ。信号待ちをするたびに大型トラックに車間を詰められるという乗用車のドライバーは、ぜひとも自身の運転を見直してほしいと思う。
しかし、どのような理由があっても車間距離は常に保たなければならない。いうなれば、車間の狭さは心の狭さである。ゆとりあるドライブを心がけることが、事故を起こさないための秘訣であるのは間違いない。車間を詰める側にも詰めさせている側にも、改善を願いたい。
トラック魂編集部
|
![]() |