( 275071 )  2025/03/16 03:15:46  
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遠隔診療車両を視察する石破茂首相=15日午後、長野県伊那市(酒井真大撮影) 

 

石破茂首相が看板政策の「地方創生2・0」推進に向けて地方行脚を本格化させている。15日には長野県入りし、地方創生に関する有識者会議に出席。今後も積極的に地方の声を聞く姿勢をアピールし、夏の参院選を見据えて政権の支持向上につなげたい考えだ。ただ、首相が自民衆院1期生議員に10万円相当の商品券を配布した問題の波紋は広がり続け、政権浮揚の道は険しい。 

 

「新しい地方創生の進め方の示唆を受けた」。首相は15日、長野県宮田村を訪れ、デイサービスや保育所を一元化した施設を視察。従業員や入所者、東京都からの移住者との意見交換後、記者団の取材にこう答えた。 

 

また、首相は国家公務員が2、3人単位の「支援チーム」をつくり、それぞれが各府省庁での勤務経験を生かしながら、副業的に地方自治体の課題解決を支援する「地方創生伴走支援制度」を4月中に開始するとも表明。1月の施政方針演説でも言及した肝いり政策の一つで、38道府県の60市町村を対象に選んだ。 

 

この日の視察では、長野県伊那市内で地方創生に関する有識者会議に出席し、遠隔診療の専用車両なども視察した。首相は11日には福島市を訪れ、ロボット研究施設の視察や若手経営者らとの車座対話も行っている。今後も各地を視察し、好事例を全国に展開する考えだ。首相周辺は今後の地方行脚について「人工知能(AI)やデジタル技術、教育など幅広い分野で企画したい」と話す。 

 

ただ、商品券配布問題で首相に向けられる視線は厳しい。政府関係者は「法的な問題はクリアできたとしても、国民がどう受け止めるか」と気をもむ。首相は15日も「国民の理解を得られたとは思っていない。ひたすら誠心誠意努力するほかない」と記者団に述べた。(飛松馨) 

 

 

 
 

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