( 276121 ) 2025/03/19 06:46:51 0 00 大雪が予想される場合に、あらかじめ高速道路や一般道路を「予防的通行止め」することが増えています。
最近でも、2025年3月4日夜から翌朝にかけて、東名・新東名や神奈川県内の有料道路をはじめ、首都圏で大規模な通行止めとなりました。
「通行止めは不便だ」という不満の声も多く見られますが、なぜこのような措置を行うのでしょうか。
大雪のイメージ(画像:PIXTA)。
これまでの通行止めは、実際に雪が降ってから、通行困難であるとして通行止めにするものでした。
これに対し予防的通行止めは、雪が降り始める前に「通行困難になる可能性が高い」として、前々から通行止めを始めるものです。
近年はこの予防的通行止めを行うケースが増加しており、今年に入ってすでに2回も、首都圏でも東名など主要道路が大規模に事前通行止めとなっています。
これまでの通行止めに対してかなり早い時間に始まるため、「もう通行止めなの!?」「帰ろうと思ったらもう通行止めだよ」といった不満の声が続出。
さらに雪がまだ降り始めていないタイミングで通行止めにするため、「まだ降ってないのに通行止めとか。意味不明」「どう見ても通行止めしなくていいじゃん。国って頭悪いの?」「えっ、もう通行止めとかおかしい」といった不満も続出しています。
おまけに事前の予測で通行止めを決定したため、予想よりも雪が少なかった場合に「雪降ってないのに…通行止めする必要あった?」「こんな雪で通行止めするとか。税金返せ」「通行止めする必要あった?こちらの仕事にも影響あったし、担当者は給料返上すべきでしょ」といった不満も続出しています。
2025年3月4日の夕方からの予防的通行止めの際も、「予防的通行止め、すべて空振りに。もう、ヤル気ないとしか思えない」「大袈裟すぎるような気がします」「もうちょっと時期を見極めて実行して欲しいものです」「夕方から大渋滞で混乱し経済的にも影響あったのでは?」「物流を政府が止めた場合は、保証すべきだね」「大迷惑な予防的通行止め。もうやめてほしい…と思った」「予防的通行止め安易にし過ぎる。事故を恐れて全体主義のような判断は無責任」「最近はなんか過剰に反応し過ぎじゃないかな?」など、不満の声は枚挙にいとまがありません。
とにもかくにも「国のせいで社会が大混乱に陥った」という言説が散見されますが、果たしてそうなのでしょうか。実はこの判断に至る大きなきっかけがあります。
通行止めとなった首都高のイメージ
たとえば2020年、関越道の月夜野IC(群馬県)から小出IC(現:魚沼IC・新潟県)にかけての約70kmの区間で、2000台以上が立ち往生、通行再開までに48時間以上を要するという事態が発生。レスキュー隊なども出動して、災害レベルの対応を迫られることになりました。
2023年1月には新東名で、じつに40時間近くの大規模滞留が発生しました。雪が止んでも立ち往生した車両群はなかなか撤去できず、渋滞最後尾がやっと動き出したのは、丸一日以上かかった朝のことでした。
直近でも2024年1月に、名神高速の関ヶ原IC付近で大型車のスタックを発端とする滞留が発生し、解消までに34時間がかかり、文字どおり物流に大きな影響がありました。
毎回、国は気象庁と合同で、「大雪が予想されますので、不要不急の外出は自粛し、運送スケジュールの調整をお願いします」と呼びかけていますが、このように「大事件」レベルのスタックと大規模滞留が毎年のように発生している現実があります。
国民に対して呼びかけるだけでは無駄だと悟った政府が、最後の手段として運用し始めたのが、予防的通行止めなのです。
もちろん、ネット上には「文句言ってる人って、滞留起こして長期通行止めになっても文句言うんだろうな」「最悪の事態を想定して計画する。先を読んで行動することは大事だよね」「雪降ってるのに夏タイヤで走ってるやつを見ると、やっぱり予防的通行止めって必要やなって思う」「そうしないといけない状況を作ったのはルールを守らない運送会社&トラック運転手」と、一定の理解を示すコメントも多数見られます。
くるまのニュース編集部
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