( 276596 )  2025/03/21 05:43:53  
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イーロン・マスク氏 

 

最近、東京都内などでも目にする機会が多くなった米テスラの電気自動車(EV)-。だが、テスラは「モデルS」「モデルX」という2車種の日本向け生産を3月末で終了すると発表した。国内の高級EV市場から事実上撤退する形だ。日本市場でEV販売は他メーカーも含めて低水準で推移しており、テスラも苦戦を強いられている。 

 

「日本で売るにはサイズが大きすぎたのかもしれない」。都内のテスラのショールームで店員はこうつぶやいた。 

 

テスラは日本でセダン型のモデルSを2013年、スポーツタイプ多目的車(SUV)のモデルXを16年に発売。だが、以降は目立ったモデルチェンジがなく、高価格帯や日本の道路事情にそぐわない車両の大きさなども障壁になって、販売は伸び悩んでいた。 

 

テスラは日本での販売台数を公表していない。だが、日本全体の2月のEV販売台数は前年同月比20%減の4390台と、16カ月連続で前年を下回る。新車販売に占めるEVのシェアも約1%にとどまるのが実態だ。 

 

ニッセイアセットマネジメントの鈴木衡大朗チーフアナリストは「日本では今のところ、EVが普及する素地がない」と指摘する。ボリュームゾーンの小型車にEV選択肢が少なく、充電インフラの整備も遅れていることなどを理由に挙げる。 

 

テスラは25年にも低価格帯のEVをグローバル市場に投入する。日本市場でもこのモデルをテコに再成長を狙うとみられるが、日本におけるEV普及のハードルは依然として高いことから、鈴木氏は「低価格のEVが出てもどこまで広がるかはまだ読めない」と語る。 

 

 

 
 

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