( 277176 ) 2025/03/23 07:16:25 0 00 umaruchan4678/shPrincess_Anmitsu/shutterstock.com
「年金だけで老後は生活できない」、「現役時代にあれだけ頑張ったのに、老後にもらえる年金が少なすぎる」、「将来はよりもらえる年金が少なくなる」など、年金に関する不満を抱える人も多いです。
では、実際に現在のシニア世帯はどれくらい年金を受け取っているのでしょうか。
たとえば、一般的に高年収とされる「平均年収600万円」で40年間働いた人が受給する年金はいくらなのでしょうか。
本記事では、みんなの年金受給額や現役時代の平均年収別に見た年金受給額を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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まずは、現在のシニア世帯がいくら年金を受け取っているのか確認しましょう。
厚生労働省年金局「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、会社員や公務員としての勤務経験がある厚生年金受給者の年金受給額の分布は以下のとおりです。
●厚生年金受給者の年金受給額(額面) 年金受給額 割合
・月額1万円未満 0.28% ・月額1万円以上2万円未満 0.09% ・月額2万円以上3万円未満 0.31% ・月額3万円以上4万円未満 0.58% ・月額4万円以上5万円未満 0.61% ・月額5万円以上6万円未満 0.85% ・月額6万円以上7万円未満 2.34% ・月額7万円以上8万円未満 3.97% ・月額8万円以上9万円未満 5.44% ・月額9万円以上10万円未満 6.73% ・月額10万円以上11万円未満 7.01% ・月額11万円以上12万円未満 6.57% ・月額12万円以上13万円未満 5.97% ・月額13万円以上14万円未満 5.75% ・月額14万円以上15万円未満 5.89% ・月額15万円以上16万円未満 6.14% ・月額16万円以上17万円未満 6.39% ・月額17万円以上18万円未満 6.56% ・月額18万円以上19万円未満 6.37% ・月額19万円以上20万円未満 5.84% ・月額20万円以上21万円未満 4.99% ・月額21万円以上22万円未満 3.90% ・月額22万円以上23万円未満 2.72% ・月額23万円以上24万円未満 1.78% ・月額24万円以上25万円未満 1.18% ・月額25万円以上26万円未満 0.75% ・月額26万円以上27万円未満 0.45% ・月額27万円以上28万円未満 0.25% ・月額28万円以上29万円未満 0.13% ・月額29万円以上30万円未満 0.06% ・月額30万円以上 0.09% 平均年金月額 14万3973円 *厚生年金保険受給権者には、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、定額部分のない報酬比例部分のみの 65 歳未満の受給権者が含まれている
平均年金受給額は月14万3973円となっています。
また、月20万円以上の年金をもらえる人の割合はわずか16.3%です。さらに、月25万円以上の年金を受け取れる人は、1.73%しかいません。
厚生年金は、現役時代の平均年収などによって受給額が決まります。
日本の平均年収は460万円ですが、高年収とされる「平均年収600万円」で40年間働いた人は、どれくらい年金を受け取れるのでしょうか。年金受給額は月20万円を超えるのでしょうか。
以下の条件で、平均年収別に年金受給額(国民年金+厚生年金)をシミュレーションしてみましょう。
・1973年生まれ ・25歳から65歳到達まで会社員として勤務 ・65歳から年金受取を開始 シミュレーションの結果は以下のとおりです。
●平均年収ごとの目安年金受給額(額面) 平均年収 年金受給額の目安(額面)
・200万円 月10万2000円 ・300万円 月12万円 ・400万円 月13万5000円 ・500万円 月15万4000円 ・600万円 月17万3000円 ・700万円 月18万8000円 ・800万円 月20万2000円 ・900万円 月22万3000円 平均年収600万円でも、もらえる年金は月17万3000円です。月20万円には届きません。月20万円以上の年金を受け取るには、平均年収800万円以上が必要となります。
もちろん勤務期間が長いほど受給額は増えますが、平均年収600万円で月20万円以上の年金を受け取るのはやや難しいでしょう。
年金受給額を確認しましたが、そもそも老後はどのくらいお金を使うのでしょうか。
総務省統計局「家計調査報告書(家計収支編)」によると、65歳以上の夫婦のみ無職世帯の平均支出とその内訳は以下のとおりです。
●65歳以上の夫婦のみ無職世帯の支出(月額) ・食料 7万2930円 ・住居 1万6827円 ・光熱・水道 2万2422円 ・家具・家事用品 1万477円 ・被服及び履物 5159円 ・保険医療 1万6879円 ・交通・通信 3万729円 ・教育 5円 ・教養娯楽 2万4690円 ・その他の消費支出 5万839円 ・諸雑費 1万9835円 ・交際費 2万4230円 ・仕送り金 969円
・直接税 1万3090円 ・社会保険料 1万8435円 合計 28万2497円
税金と社会保険料を合わせた平均支出は、月28万2497円となっています。内訳としては食費がもっとも高く、次に交通・通信費、教養娯楽費と続きます。
会社員や公務員としての勤務経験がない自営業者や専業主婦が受け取る国民年金の2024年度満額受給額は月6万8000円です。
そのため、平均年収600万円で40年間勤務した夫と会社員や公務員経験がない専業主婦の妻の家庭がもらえる年金は、月24万1000円となります。平均支出は月28万2497円のため、月4万1497円の赤字です。
年金以外に老後に向けた貯蓄が必要であることがわかります。
本記事では年金受給額について紹介しましたが、世帯によって受け取る年金は異なります。
世帯によっては、年金以外に自分で多くの資産を用意することが必要です。
まずは、自分の世帯がいくら年金をもらえて、毎月どれくらいお金がかかるのかをシミュレーションしてみてください。
シミュレーションにより不足するお金がわかれば、貯蓄や資産形成に向けた具体的な目標を定められるでしょう。
・厚生労働省年金局「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・厚生労働省「公的年金シミュレーター」 ・総務省統計局「家計調査報告書(家計収支編)」
苛原 寛
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