( 277776 )  2025/03/26 03:50:00  
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旧統一教会についてのヒアリングで立憲民主党議員らに話をする「宗教2世」の参加者=国会内で2025年3月25日午後5時29分、和田大典撮影 

 

 被害の訴えが相次いでいた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に東京地裁は25日、解散命令を下した。教団は徹底抗戦の構えだが、被害者の元信者や支援する弁護士は早期の被害救済につながることを願った。 

 

 「この国がカルトの食い物にされてはいけない」。旧統一教会信者の2世、山本サエコさん(仮名)は訴えた。解散命令が出た25日、家族の高額献金などに苦しめられてきた山本さんら被害者が国会内であった野党ヒアリングで解散命令について感想を述べた。 

 

 山本さんは合同結婚式で結ばれた両親のもとで「祝福2世」として育ったが、「借金が膨らむ恐怖、次の日に食べるものがない恐怖を感じながら過ごした」と幼少期を振り返った。解散命令に「安心した」としつつ、国に対して「精神的、経済的な課題がたくさんある。速やかに課題を解決してほしい」と要望した。 

 

 20年以上信者だった元2世信者の田村一朗さん(仮名、40代)は解散命令を請求した国側への感謝の言葉を述べ、「(教団が)文部科学省や被害者、支援者を中傷している。今後過激になるのではないか」と懸念した。 

 

 全国統一教会被害対策弁護団は東京都内で記者会見を開き、「高く評価する」との声明を公表した。村越進弁護団長は、東京地裁の決定について「被害者やその家族の声に真摯(しんし)に耳を傾け、深刻な実態を正しく理解した」と評した。その上で「(解散命令は)救済と被害抑止に向けた大きな一歩だが、取り組みはさらに推し進めていかなければならない。教団は被害に向き合わない姿勢を正し、全被害者に謝罪と賠償を行うべきだ」と求めた。教団に対する集団交渉には現在183組(194人)が参加しており、計57億8000万円を支払うよう求めている。 

 

 全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)も都内で会見を開き、木村壮事務局長が教団に対して「全ての被害者への謝罪と適切な賠償」を要求。信者や2、3世らに向けて「この機会に法テラスに相談してほしい」と呼びかけた。【山田豊、春増翔太】 

 

 

 
 

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