( 278446 ) 2025/03/28 06:18:54 0 00 記者会見するトランプ大統領(26日、AP)
【ワシントン=田中宏幸】米国のトランプ大統領は26日、日本を含む全ての国・地域から米国に輸入される自動車に25%の追加関税を課すと発表した。発動は4月3日午前0時1分(日本時間3日午後1時1分)としている。米国は日本の自動車メーカーにとって重要な市場で、収益悪化につながる可能性がある。
追加関税のポイント
関税を引き上げるための布告に署名したトランプ氏は記者会見で、「これは米国における解放の日の始まりだ。米国の自動車事業はかつてないほど繁栄するだろう」と強調した。
(写真:読売新聞)
米国は現在、輸入される乗用車に2・5%、トラックに25%の関税をかけている。発動後は乗用車の関税は27・5%、トラックは50%となる。また、トランプ氏はエンジンや変速機など自動車の基幹部品も5月3日までに追加関税を課す考えを明らかにした。
ただ、自由貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の条件を満たしてメキシコやカナダで生産され、現在は関税がかからず米国に輸入されている自動車については、追加関税の発動後も米国製の部品の使用割合に応じて関税率を引き下げる。USMCAの基準を満たしてメキシコやカナダから輸入される部品については、当面は関税を免除するとした。
自動車への追加関税は米通商拡大法232条に基づいたもので、恒久的な措置となる。米政府高官は「新たな関税によって年間1000億ドル(約15兆円)以上の税収を見込める」と述べた。
米商務省によると、2024年の米国の乗用車の輸入額は、メキシコが487億ドル(約7・3兆円)で最も多く、日本は399億ドルで2位だった。3位以降は韓国、カナダ、ドイツと続いている。
米政権の方針発表を受け、全米自動車労働組合(UAW)は26日、「これは、30年以上続いた『自由貿易』という名の失敗に終止符を打つ転換点となる動きだ」と賛意を示した。一方、欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長は26日、「米国とEUの企業にとって悪影響で、消費者はさらに影響を受ける。引き続き交渉による解決策を模索する」との声明を発表した。
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